※2018年1月末にクローズしたcarview!個人というサービスがあります。そこに過去寄稿した記事を再掲載いたします。原文ママなので掲載時とは多少異なる箇所があるほか、名称なども掲載当時のママとなっておりますので、ご留意いただきますようお願い申し上げます。
中古車市場のストック増がスポーツカー・ムーブメントを持続させる
トヨタ86、スバルBRZがビッグマイナーチェンジを果たし、日本代表スーパーカーといえる日産GT-Rが10年目の深化を遂げたこともあり、あらためて国産スポーツカーが注目を集めているようです。一部には「スポーツカー・ブーム」といった声もありますが、スポーツカーカテゴリーでもっとも売れているといえるホンダS660でも月販1000台程度で、マツダ・ロードスターや日産フェアレディZなどを足したスポーツカー／クーペ全体で4000台／月の規模なので、大きなムーブメントと表現してしまうのは大袈裟に感じるレベルといえるかもしれません。
ただ、86やBRZが登場する以前の2011年のスポーツカー市場は月販3桁の市場規模だったことを思えば、確実にスポーツカー市場は大きくなっています。それもこれも、やはり300万円以下で86とBRZが出たこと、そしてロードスターが続いたこと、なによりS660が登場したことが大きいと感じます。たしかにGT-Rは、そのパフォーマンスからしてもスポーツカーとして日本市場の頂点に立つ存在ですが、2017年モデルでは最低でも1000万円弱の価格、台数としては期待できるものではありません。
実際、デビューから10年を経っているクルマにも関わらず、中古車市場に流れている台数は少なく、carview! の中古車タグをクリックして検索してみてもGT-Rは200台に満たない台数しか流通していません。一方、86／BRZはデビューから4年ですが合わせて500台を超える中古車を見つけることができます。さらに驚いたのはS660、わずか1年で250台近い中古車が流通しているのです。
新車で購入して大事にしていくオーナーを否定するわけではありませんが、スポーツカーというのは中古車市場に数多く流れることで価格も手頃になり、いろいろな個体から選べるようになって、その魅力が広まっていくものだという印象を持っています。自分自身、AE86のレビン／トレノが新車で購入できる時期に運転免許を取得したのですが、新車でハチロクを買おうなんてことは思いもよらず、中古車市場に徐々に増えていくハチロクを見て、妄想を膨らませていた記憶があるのです。
86／BRZのビッグマイナーチェンジで、後期型に買い換えたいと思う前期オーナーもいるでしょうが、そうしたオーナー氏には是非とも買い換えて、国内にあるスポーツカーの台数を増やして欲しいと願ってしまいます。新車の売上を無視するわけにはいきませんが、良質で適切に値落ちした中古車市場との両輪によって、スポーツカー・ブームを持続させ、一定の規模を持つ市場として存在していくことに繋がると思うのです。その意味では、一時期は壊滅状態と思われた日本のスポーツカー市場は確実に復活を遂げ、拡大しているといえるのかもしれません。
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精進します。
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Source: クルマのミライ
