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【再掲載】ゼロエミッションは自動車メーカーのリストラにつながる

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※2018年1月末にクローズしたcarview!個人というサービスにおいて、過去に寄稿した記事を再掲載いたします。原文ママなので掲載時とは多少異なる箇所もありますので、ご留意いただきますようお願い申し上げます。
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生産ラインを持つことはメリットか、足枷か?

先日、ホンダの燃料電池車「クラリティ フューエルセル」に触れた際に、その技術的なアドバンテージとして、駆動モーター・燃料電池スタック・コントロールユニットを従来(内燃機関)と同等サイズに収めたという説明を聞き、実際にコンパクトなパワートレインを目にすれば、技術的な優位性に納得するばかり。まだまだ巨大な水素タンクはパッケージにおけるネガティブな要素でしょうが、それでも従来からのボディ設計や生産ラインの延長線上にあることのメリットは、量産性やバリエーションの拡大において有利なのは実感できるところ。もっとも、実際にはパーツの生産性による制約があり、一日あたり2台程度の生産量ということではありますが…。

ゼロエミッション車を普及させるためのコストダウン要因として、既存の生産ラインやボディ設計を利用できることはは重要でしょう。しかしながら、その条件にプライオリティを置くことで、車体設計が制限を受けてしまうようでは本末転倒とも思ったのです。もちろん、ホンダの燃料電池車としては先代モデルとなるFCXクラリティにおいて燃料電池スタックをセンターコンソール部分に収めるという燃料電池専用設計を提案していますから、プラットフォームを起こすことのメリット・デメリットをしっかり精査した上で、現時点の結論に達しているのでしょう。その前提条件として生産ラインを世界各地に有しているという要素を無視できないのは、ホンダに限った話ではなく、すべての自動車メーカーに共通しているはず。

つまり、これからゼロベースで生産ラインを立ち上げるといった制約のないメーカーが資金と技術を集め、内燃機関を積むパッケージの延長ではない”ゼロエミッション車に最適化した革新的プラットフォーム”を生み出してしまったときに、既存メーカーの規模や設備が、一気にレガシー化してしまう可能性はあるのかもしれないと思うのです。そうしてパワーバランスが変わると、一気に業界再編といった流れになり、新しい自動車像が生まれるのでしょう。パワーユニットの変革だけでなく、自動運転を前提とした「事故のないクルマ社会」が衝突安全性へのプライオリティを下げることで、素材の選択からして変わる可能性もあるでしょう。

というわけで、燃料電池というゼロエミッション車に触れたことで、現在の自動車メーカーが持っている経験や設備がアドバンテージでなくなり、むしろ足枷になる可能性に思いを馳せたのでした。
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精進します。
  
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Source: クルマのミライ

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