80〜90年代の日本車デザインを振り返る本シリーズ。6月にカローラ スポーツが登場したのを機に、番外編として歴代カローラのデザインを振り返ります。
生産開始からわずか3年5ヶ月で100万台をラインオフ、大ヒット作となった初代。本格的なマイカー所有・高速化時代を迎え、初代の「スポーティさ」や「豪華さ」をさらに進化させたのが1970年に発表された2代目カローラです。
70年代カーファッションの最先端として「曲面美」を標榜。とりわけ新登場のクーペは豊かな抑揚を感じますが、初代に続くセミファストバックのセダンも、イルカをイメージしたという優雅なボディラインが特徴です。盛り上がったボンネットには2つのエアインテークを置き、スポーティさと精悍さを演出。初代同様、ランプをカバーで囲んだフロントは、さらにグレーの樹脂製ガーニッシュで個性を磨きます。
張りのあるボディサイドは繊細な「うねり面」で構成、三角窓を廃した広いウインドウグラフィックと相まって伸びやかなボディを演出。さらに、一部グレードに施したアクセント・ストライプがこれを後押しします。一方、北欧家具をイメージしたインテリアは、何とインパネにローズウッド調パネルを調達。「キングスチェア」を謳うバックレスト一体型のシートとともに、豪華さを打ち出します。
極めて実直にまとめた初代に対し、サイズアップした2代目はスポーティさと豪華さのスパイスを強め、さらにクーペやバンといったバリエーションを揃えることで「カローラ観」を確立ました。つまり、それは3代目の難しさを予感させたと言えるのかもしれません。
●主要諸元 カローラ ハイデラックス4ドア(4MT)
形式 KE20ーFN
全長3945mm×全幅1505mm×全高1375mm
車両重量 780kg
ホイールベース 2335mm
エンジン 1166cc 直列4気筒OHV
出力 73ps/6600rpm 9.6kg-m/4200rpm
(すぎもと たかよし)
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Source: clicccar.comクリッカー