5月23日から開催される25日まで開催される「人とくるまのテクノロジー展2018 横浜」に先駆けて、前日の22日に京セラとGLMの協業によるコンセプトカーがプレス発表されました。
京セラ、GLMともに京都に本拠を構えていて、京セラからGLMに声を掛けて実現したという今回のコンセプトカー。京セラは、以前からクルマ関連のデバイスを多数手がけているものの、あまり認知されていなかったそうで、実際に走行できるコンセプトカーを開発することで、京セラの車載事業の認知度を高めていく狙いがあるとのこと。
一方のGLMは、EVスポーツカーのトミーカイラZZを市販化しているほか、帝人との協業によるコンセプトカー(ガルウイングタイプのSUV)を発表するなど、プラットフォーム事業にも注力。中国などのアジアを中心に欧州や日本国内も含めて、自動車メーカー、部品メーカー、異業種まで幅広い分野から引き合いがあるそうです。
さて、今回の京セラとGLMでは、スポーツタイプのEV「トミーカイラZZ」をベースにコンセプトカーとして仕上げられていて、両社の協業は今回が初めて。
走行可能なのはもちろん、京セラ製の12のデバイスが作動し、協調制御されるというコンセプトカー。具体的には、自動運転や先進運転支援システム(ADAS)への活用が期待される高精細カメラ、液晶ディスプレイを搭載。
ほかにも、京セラが得意とするセラミック技術を応用した超薄型スピーカー(ピエゾスピーカー)や、電流で冷却・加熱の温度制御が可能な半導体素子(ペルチェ素子)を用いた温度調整装置(シート温調やエアコンに使用)など、同社独自の12種類のデバイスやシステム、素材が実装されています。
さらに、サイドミラー・ルームミラーには、電子ミラーを採用。高感度の車載用カメラで撮影した車両後方の映像がインパネのモニターに映し出されます。
また、前後左右4台の魚眼レンズのカメラが撮影した車体周辺の映像を合成し表示するサラウンドビューカメラや、高精細液晶ディスプレイに内蔵されたカメラで運転者の視線の動きを認識し、よそ見運転などを警告する「DMS(ドライバーモニタリングシステム)」など、先進運転支援システムを見据えた計9台のカメラとそれと連動するシステムが実装されています。
ほかにも、パネルを指でタッチした際に微細な振動で、実際にあるような立体をクリックしたかのように伝える触覚伝達技術(HAPTIVITY)を搭載したディスプレイや、セラミック技術を応用した高音質なピエゾ(圧電)スピーカー、装飾用に開発された人工オパールなど、計12種類の京セラの技術が組み入れられています。今回発表されたコンセプトカーは、冒頭で紹介した「人とくるまのテクノロジー展2018 横浜」で一般公開されます。
(文/塚田勝弘 写真/塚田勝弘、GLM)
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Source: clicccar.comクリッカー