2018年F1第3戦・中国GPが上海インターナショナル・サーキット(5.451 km、周回数56周)で開催されました。
「世界一のファン」と言われる日本GPと同じくらい、オリジナル応援グッズで盛り上がりをみせている中国GP。ドライバー応援席なのか、巨大フラッグや国旗がずらりと並んだりと、とにかく団結力が凄い! 若い世代のファンも多く見られます。
そんな勢いのある中国GPでポールポジションを獲得したのは、開幕戦から絶好調のセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)。2番手はチームメイトのキミ・ライコネン、3番手に100戦目のグランプリとなるバルテリ・ボッタス(メルセデス)が続きました。
たくさんのファンが見守る中、中国GPがスタート! スタート加速が良かったライコネンにポジションを奪われないよう、ベッテルはターン1のアウトから被せて首位を守ります。「チームメイト同士でやめて~!」とヒヤヒヤしながら見ていると、そのすきにボッタスがライコネンをパス。2番手に浮上しました。
さらにマックス・フェルスタッペン(レッドブル)もこの混乱を利用し、ライコネンをオーバーテイク。5番手から3番手にポジションを上げました。
レースは順調に進み17周目、上位勢で最初にタイヤ交換をしたのはフェルスタッペン。ウルトラソフトタイヤからミディアムタイヤに履き替えます。
そしてそのすぐ直後、チームメイトのダニエル・リカルドもピットイン。プロフェッショナルな作業で、2台同一ラップでタイヤ交換を終えたレッドブルチームがかっこよすぎるっ!
18周目「ライコネンと逆のことをやるよ!」とチーム無線がとび、ミディアムタイヤに交換したハミルトン。一体どのような作戦にでるのでしょうか。その翌周、チームメイトのボッタスもミディアムタイヤに履き替えます。
20周目ベッテルがミディアムタイヤに履き替えコースに復帰すると、2番手のボッタスがベッテルの前に! アンダーカット成功です。これにより首位ボッタス、2位ベッテルに順位が入れ替わりました。
上位勢でタイヤ交換をせず首位を走行していたライコネンを、26周目のターン3でボッタスがインを突いてオーバーテイク。そのすぐ後ろにいたベッテルも、ターン6でライコネンをパスしボッタスにしかけますが抜けません。
そして28周目、ライコネンがミディアムタイヤに交換。6位まで順位を下げてしまいました。先にタイヤ交換をしたボッタス、ベッテル、ハミルトンがもう一度タイヤ交換をするかが鍵になってきそうです。
29周目のターン14で、トロロッソ・ホンダのピエール・ガスリーがチームメイトのブレンドン・ハートレーのインに飛び込んで接触しフロントウイングを破損。飛び散ったパーツ回収のため、セーフティカーが導入されました。
ピットストップのロスタイムが少なくすむよう、この間にタイヤ交換をするマシンが続出。上位勢ではフェルスタッペンとリカルドがソフトタイヤに履き替え、首位ボッタス、2位ベッテル、3位ハミルトン、4位フェルスタッペン、5位ライコネン、6位リカルドとなりました。
36周目にレース再開。タイヤ交換をしていないボッタス、ベッテル、ハミルトンはこのまま走りきれるのか、それとも新しいタイヤを履いたフェルスタッペン、ライコネン、リカルドが追い上げてくるのか注目です。
37周目、リカルドがライコネンをオーバーテイクし5番手に浮上。39周目にフェルスタッペンがターン7でハミルトンのアウト側に並びかけていきましたが、僅かにアウトにふくらんだハミルトンを避けるためコースオフ。そのすきにリカルドがフェルスタッペンを抜いていきます。
ここからリカルドの猛プッシュがスタート! 40周目のターン14でハミルトンのインを突き3番手にポジションを上げると、続く41周目にはファステストラップを記録し、バックストレートでDRSを使ってベッテルをパス。2番手まで順位をあげました。
42周目、ターン6でハミルトンをパスしたフェルスタッペンは、43周目にベッテルのインに入ろうとしましたが、接触し2台ともスピン。この間にライコネンが3番手、ハミルトンが4番手となり、フェルスタッペンには10秒のタイムペナルティが科せられてしまいました。
45周目、ついにリカルドがターン6でトップを走るボッタスのインに飛びこんで首位に立ち、約9秒の差をつけトップチェッカーを受けました!
リカルドの優勝は2017年アゼルバイジャンGP振り。もちろん今シーズン初優勝です。6番手スタートのリカルドが優勝とは、誰がこの結果を予想できたでしょう! タイヤ戦略の明暗が分かれた、面白いレースでした。
表彰式で嬉しさを隠しきれず終始ニヤニヤしていたリカルドでしたが、オーストラリア国歌が流れた途端、目頭をおさえて涙をこらえている姿には感動しました。
シャンパンファイトが終わると履いているレーシングシューズを脱ぎ、耳にあてて皆の声を聞くリカルド。聞こえてくるのは、もちろんシューイコール!
シューズになみなみとシャンパンを注いで、一気飲み! 久しぶりのシューイきたーーーー!( ※シューイとはオーストラリアでお祝い事があった時にやる儀式なので、リカルドが変人なわけではありません)。
リカルドのシューイはもちろんですが、その姿を両端で冷静に見ているフィンランド出身のライコネンとボッタスコンビも最高でした(笑)。
シューイと言えば昨シーズン、ポディウムにのってもシューイをやらなくなったリカルドにその理由を尋ねてみたら「主役は勝者だからね。時が来たらやるよ!」と答えてくれたのを思い出しました。久しぶりのシューイ、そして最高の笑顔が見れて本当に嬉しかったです。
リカルド、優勝おめでとう! 次のシューイも期待しています!!
中国GPリザルトは以下の通りです(ポイント圏内のみ)。
順位/No./ドライバー/チーム
1/#3/ダニエル・リカルド/レッドブル
2/#77/バルテリ・ボッタス/メルセデス
3/#7/キミ・ライコネン/フェラーリ
4/#44/ルイス・ハミルトン/メルセデス
5/#33/マックス・フェルスタッペン/レッドブル
6/#27/ニコ・ヒュルケンベルグ/ルノー
7/#14/フェルナンド・アロンソ/マクラーレン
8/#5/セバスチャン・ベッテル/フェラーリ
9/#55/カルロス・サインツJr/ルノー
10/#20/ケビン・マグヌッセン/ハース
(yuri)
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Source: clicccar.comクリッカー