完全自動運転になるまでは広義に運転支援システムの範疇、ではその先は?
自動運転に関する議論において重要なのは、どの時点での技術を基準に話をするかということ。たとえば2018年時点での市販車に搭載されている技術レベルでいうと、ほとんどがクルーズコントロールの延長線上にある運転支援システムであり、ドライバーが監視というカタチも含めて運転に関わっている必要があるもの。運転せずに済むというレベルではないのであります。最先端といえるものでも、せいぜい渋滞時のシステム監視から解放されるくらいのもので、それも「いつでも運転を委ねられても大丈夫」なようにドライバーは待機しておく必要があるわけで、つまりは居眠りなんてできないレベルなのです、まだまだ。もちろん、将来的にはドライバーが不要となり、全員がパッセンジャーとなるべく技術を進化させているわけですが。その辺りの現時点での技術レベルと、将来的に実現する技術を整理しておかないと議論が噛み合わないと感じることもしばしば。ロードマップについてのズレがあるのは当然ですが、それにしても現状の把握と未来像の見え方は大筋では共通させておく必要があり、まずはそうした前提条件のすり合わせが重要だと思うのです。その、すり合わせをすっ飛ばして議論に入ってしまうケースも少なくないようですが……(汗)
そして自動運転というと法整備の話にもなるわけですが、それについても技術の進化に合わせたルールづくりが必要なわけで、やはり自動運転がどういったロードマップで、ある程度のゴールまでを決めておかないと議論にならないと感じることもしばしば。事故の責任問題にしても「メーカーなのか、所有者なのか、運転手なのか」と議論になりますが、さらに刑事責任なのか、賠償責任なのかも明確にしないと議論にならないと思うのです。たとえば賠償責任だけでいえば、現時点でもきちんと自賠責と任意保険に入っていれば、運転手ではなく所有者(≒保険加入者)が責任を負うケースが大半でしょうから。
また完全自動運転になったときにメーカー責任にするとしても、整備に起因するアクシデントであれば管理者にあたる人や組織が責任を負うべきともいえますし。いずれにしても自動車保険というシステムが残るでしょうから、誰が保険に入っておくかという話でしかないとは思うのです。つまり、メーカー責任であればメーカーが保険料を載せた金額でクルマを売るだけでしょうし、その保険を自社内で回すことで会社としては金融部門を大きくできるというメリットもあるので、じつはメーカーとしては賠償責任に関してだけいうと自社で負うというカタチにしたほうが経営的なメリットはあるのかも? と考えてみたり。どこが責任を追おうと自動運転で事故が起きたらブランドイメージを毀損するのは変わりないわけですし。
そもそも、完全自動運転になったら一部の高級車を除いて所有することはなくなり、ほとんどがシェアリングになるという見方もあり。そうなるとメーカー・シェアリング管理会社・利用者とどこが賠償責任をとるカタチにしたほうがいいのか、という議論をすべきかもしれません。前述したように運転支援システムであればドライバーは運転に関わっていますが、完全自動運転になると公共交通機関の利用者に近い立場でしかなく、責任を負う側というよりは、むしろ賠償を受ける側になると考えるほうが自然でしょう、といった具合に前提条件が変わってくると思うのですが、さて?
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精進します。
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Source: クルマのミライ