2018年3月28日、アメリカ・ニューヨークで開催されたモーターショーにおいて、スバルは新型フォレスターを世界初公開しました。コンセプトカーではなく、2018年秋より販売予定の量産モデルを公開したのです。
そしてニューヨークオートショーでお披露目された、数えて5代目となる新型フォレスターが、はやくも日本上陸です。日本での販売状況からするとスバル・ラインナップの2番手、3番手といったイメージかもしれませんが、じつはグローバルで見るとスバルのエース。同社における新車販売の約1/3はフォレスターだというのですから力が入らないわけはありません。
車体の基本となる骨格は、インプレッサから採用されている「SGP(スバルグローバルプラットフォーム)」、エンジンはついに直噴化された2.5リッター水平対向エンジンです。インプレッサやXVのレベルアップした走りから想像するに、SGPの実力は高く、最低地上高220mmを確保した、この本格SUVにおいてもオールマイティに満足いく走りが期待できることでしょう。
ホイールベースを延長、幅も広げたボディは、それぞれ前後左右キャビンスペース拡大に活用。たとえばホイールベースは前型比30mm伸びていますが、前後のオーバーハングを削ったことで全長は15mmしか伸びていません。取り回し性を犠牲にせず、居住性を向上させています。
さらにテールゲートを大型化することで開口部を大幅に広げ、ラゲッジの使い勝手を良くしています。キープコンセプトに見える外観のコンセプトは「モダンキュービックフォルム」というものですが、まさに高効率なパッケージを内包したスタイルになっています。それでいて、ディテールの工夫により実用一辺倒に見せないルックスとしているのもポイントです。
さらに悪路走破性については「X-MODE」を進化させているのも見逃せません。現行型に搭載される「X-MODE」は1パターンでしたが、新型フォレスターではスノー・ダートとディープスノー・マッドと、路面に合わせて2パターンを用意しています。これにより、従来は別途トラクションコントロールを切らなければ脱出できなかったようなシチュエーションでも「X-MODE」の操作だけで対応できるようになったといいます。
スバルのコアテクノロジーである「アイサイト」も進化しています。前方をステレオカメラで、後方をミリ波レーダーで検知するというシステムの基本や、それにより自動ブレーキや渋滞対応ACC(追従クルーズコントロール)を利用できるといった点では従来モデル同様ですが、今回のトピックは「ドライバーモニタリングシステム」を初搭載したこと。
自動運転時の事故が社会問題として注目を集めていますが、ACC作動時にドライバーがわき見や居眠りをすると大きな事故につながりかねません。そこでインパネ中央に置かれた赤外線カメラでドライバーの様子を常にチェック、たとえば目を閉じそうになると警告を発することで安全なドライブをサポートするというものです。
さらに、顔認識機能を持たせることで、ドライバーが座っただけでシート位置やミラーの角度などを合わせるという便利な機能も搭載しています。
北米でのライバルはトヨタRAV4やホンダCR-Vというフォレスター。いずれのライバルも日本導入が噂されていますから、日本市場でもライバルとして切磋琢磨することになりそうです。日本仕様も基本的には、ほぼこのまま(もちろん右ハンドルになります)という新型フォレスター、国内での正式発表は初夏の頃となりそうです。
■新型フォレスタースポーツ(米国仕様)主要スペック
全長:4625mm
全幅:1815mm
全高:1760mm
ホイールベース:2670mm
乗車定員:5名
最低地上高:220mm
エンジン形式:水平対向4気筒DOHCガソリン直噴
エンジン型式:FB25
総排気量:2498cc
最高出力:182hp/5800rpm
最大トルク:176lb-ft/4400rpm
タイヤサイズ:225/55R18
(山本晋也)
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Source: clicccar.comクリッカー