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【ネオ・クラシックカー グッドデザイン太鼓判!】第32回・「低く、長く、幅広く」を疑え! ホンダ シティ(初代)

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80~90年代の日本車からグッドデザインを振り返るシリーズ。第32回は、既成のバランスにとらわれず、基本機能を純粋に追求した背高コンパクトに太鼓判です。

時代を反映した省資源・省エネという経済性を持ちつつ、パーソナルな交通手段としてまったく新しい価値観を提案したい ── 80年代の多様化を見据え、ミニバイクとセットという新機軸で登場したのが初代のシティです。

限られたサイズの中で最大の容積を求めれば「球体」になる、という考えのもと、既成のバランスにとらわれないトールボーイを採用。あえてウエッジさせなかったボディは端正ながら、全体としてはポップに演出されます。

低いボンネットと、ボディを上下に分けるキャラクターラインが背高のスタイルに安定感を表現。また、サイドモールと高さを揃えた前後ホイールアーチは、もともとシンプルなボディの要素をさらに整理しています。

フロントの丸型ランプと小さなリアランプは、このクルマが経済車であることを提示。そして、フロントグリル、ランプ枠、バンパー、モール、リアルーバーなどボディのパーツの大半を黒で統一。「ブラックトーン」として、シンプルなボディをよりシャープに演出します。

ボディパネルをそのまま生かしたインテリアは、シンプルながらセンスを感じるもの。トレイタイプのインパネは開放感を与えつつ、操作部分を集中させて高い機能性をアピールします。

本質的な経済車として不要なモノは外すけれど、決して貧相にならない。従来とまったく異なる価値観は、クイント・インテグラやワンダーシビックを手掛けた在間浩氏のスケッチを軸に、若手のデザインチームが展開したといいます。

「低く、長く、幅広く」は虚像と言い切り、まったく新しい商品を作って市場自体を提案する。最新技術や便利さだけにとどまらない、本当の意味で豊かなクルマ作りが、初代シティの現場にはあったのかもしれません。

●主要諸元 ホンダ シティ R(5MT)
形式 E-AA
全長3380mm×全幅1570mm×全高1470mm
車両重量 665kg
ホイールベース 2220mm
エンジン 1231cc 直列4気筒OHC12バルブ
出力 67ps/5500rpm 10.0kg-m/3500rpm

(すぎもと たかよし)

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Source: clicccar.comクリッカー

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