2018年3月8日からイタリア・ローマで開催されているRoma Motodays(ローマ モトデイズ)で、オールニューとなる2018新型Forza300(フォルツァ300)が公開された。当WEBではこれが新型フォルツァ250となって3月16日からの大阪モーターショーで公開されるという予想をお伝えしているが、ここでは新フォルツァ300の詳細を見てみたい。
目次
ロー&ロング→ショート&ハイのスポーツ路線に
イタリアでアンベールされた新型フォルツァ300は従来のNSS300フォルツァとは全く異なる新路線で、その狙いはスポーツ性の向上にある。従来のNSS300フォルツァ(国内では2013年にフォルツァSiとして発売)は、ロー&ロングのいわゆるビグスクスタイル。一方、新型フォルツァ300はショート&ハイというべきディメンションとなっており、スペックは旧300の全長2166×全幅753×全高1189mmに対して新300は2140×755×1470と、その違いは数字に明確に表れている。ずはりこれは欧州でのヤマハMAX系の人気に倣ったものと思われ、新300はMAX系の特徴である高いシート高=795mm(XMAX300/250)に近い780mmとなった。これは旧300の716mmよりも大幅に高く、シート下スペース拡大だけでなくバンク角増大や運動性向上も期待できるものだ。
ヘッドライトは新型PCX系の眉毛付きに
コンセプトはスポーツ路線とし、デザインの方向性は2018新型PCXと共通項を持たせているのが新型フォルツァ300の特徴だ。今や国内だけでなく世界的なヒット作となったPCXは、新型でデザインを刷新することが海外モデルで判明しており、国内でも3月16日からの大阪モーターサイクルショーでの展示が期待されている。今回イタリアで公開された新型フォルツァ300のヘッドライトは、ライトオンの状態で比較するとよりPCXと共通イメージを持たせていることがよく分かる。2018年は、眉毛付きがホンダスクーターのアイコンとなるようだ。
新型フォルツァ300の特徴(リリースより)
装備やスタイリング
・左のハンドルスイッチで調節可能な電動スクリーン
・改良されたアナログ&デジタルのメーター
・シート下に2つのフルフェイスヘルメットが収納可能
・フルLEDヘッドライト
・シャープなラインによるよりスポーティな外観
左のハンドルスイッチで調整できる電動スクリーンは140mmの範囲で調整されます。これは、ウインドプロテクション(ライダーの頭の周りを流れる空気の流れ)と風の騒音を低減するように設計されています。スイッチを押して140mmの範囲内の任意のポイントに移動するだけで、高速や長距離での安定性と快適性を得られます。また、軽快な走りもスクリーンを低く調整することで即座に対応することができます。
2つのフルフェイスヘルメットをシートの下に収納できます。ヘルメットやレインウエア、A4サイズのバッグを収納するために収納スペースを分割することもできます。フロント左のポケットはロック可能で、内部には12Vの充電用ソケットもあります。すべての照明はLEDです。
Forza 300のスマートキーは、主イグニッションスイッチノブとコンパートメントロックを制御するだけでなく、オプションの45Lリムーバブルトップボックスも制御します。これは、ホンダのスクーターで初のものです。ライダーのポケットにあるスマートキーにより、ライダーが離れると自動的にロックされます。また、キーからロックすることもできます。トップボックススイッチはその底面にあり、ボックスの内部容積を維持するために、アクチュエータ機構は後部本体に配置される。
改良されたメーターは、3つのモード(左のハンドルバーのスイッチで制御):オドメーター、残りの走行可能距離、瞬間燃費で切り替えることができるデジタルディスプレイに、アナログのスピード&タコメーターをセットします。トリップメーター、平均燃費と温度計、電圧計なども表示することができます。
フォルツァ300は、スタイルと空力の両方の効率を兼ね備えています。フォルツァ300は、人気のあるフォルツァ125のスタイルを忠実に再現しています。完全に新しいスタイリングは、よりコンパクトなディメンションによって実現する俊敏性とパフォーマンスに完全に対応して、従来の丸みのあるフィーリングからよりシャープでダイナミックなフィーリングに移行します。ボディサイドにシルバーのアクセント、フロントとサイドのカウルは、全体的なプレミアムなイメージに合わせてエレガントなタッチを提供します。
シャーシ
・完全に新しい鋼管フレーム、12kgの軽量化
・シャープなステアリングジオメトリーにショートホイールベース
・シート高を上げたコンパクトなディメンション
・前後アルミ鋳造ホイール、後輪は14インチ
2018年のForza 300には、新しいシャシーがあります。このシャシーは、従来より12㎏軽量な182kgを達成しています。骨格は従来より約35mm短縮された1510mmのホイールベースとなるスチールフレームです。キャスター角は、26.5°(従来は27°)でトレールは89mmとなりわずかに角度をつけています。ラジエーターやバッテリー、燃料タンクなどはシート下スペースの下の収められており、マスの集中化を図っています。
以前のモデルと比較して、全長が2140mmで約25mm短くなっています。シートの高さは716mmから780mmに上昇し、ライディングポジションは自然に直立し、優れた視認性を確保します。ハンドルバーの幅は、フロント幅580mm、ミラー幅860mmの755mm(従来のデザインよりも2mm狭くなりました)で、交通量の多い通りを走りすいコンパクトな寸法になっています。
高剛性な径33mmのFフォークは、7段階のスプリングプリロード調整が可能なツインリヤショックと組合わされています。1ピースのアルミスイングアームを使用しています。
15インチのアルミキャストホイールの前輪には120/70-15サイズのタイヤが装着され、14インチのリヤ(前後とも従来よりも径が1インチ大きい)には140/70-14のタイヤが装着されている。
フロントは径256mmでリヤは径240mmのディスクブレーキを採用しています。滑りやすい路面での制動制御には2チャンネルのABSを使用します。
エンジン
・より速い加速、高いトップスピード、改善された燃費
・調整可能なトラクションコントロール(HSTC)標準装備
・HSTCは左のハンドルスイッチでON-OFF可能
新型フォルツァ300は279ccの水冷SOHC 4バルブエンジンをSH300iを共有し、パワー特性をチューニングしています(ガスフローヘッド、ロングリーチスパークプラグ、バルブタイミングの変更)。低、中、高回転域でさらに優れた燃費。
ボア×ストロークは72mm x 68.5mmで、圧縮比は10.5:1です。最高出力は18.5kW(約25ps)/ 7000rpm、最大トルクは27.2Nm(約2.7kg-m)/5750rpmです。12㎏軽量化した新型はパフォーマンスに貢献します。0-200mは11.1秒をマークし最高速は129km/hで、従来型よりそれぞれ0.3秒、2km/h上回っています。燃費も30.8km/L(WMTCモード)から31km/Lまで改善されています。燃料タンクは11.5リットルを保持し、潜在的には370㎞の航続距離が与えられている。
2018 Forza 300の重要な新機能は、Honda Selectable Torque Control(HSTC)です。このシステムは、ホンダのスクーターに初めて搭載されました。HSTCは、前後車輪速度の差を検出し、スリップ率を計算し、燃料噴射を介してエンジントルクを制御して、後輪トラクションを回復します。HSTCは、左のハンドルバーのスイッチを使ってON-OFFに切り替えることができます。システムが作動しているときは、デジタル表示の 「T」インジケータが点滅します。
Forza 300のエンジンは、ローラータイプのロッカーアーム、プレーンジャーナルクランクベアリング、密閉クランクケースで設計され長期間の信頼性を提供することが証明されています。オイル容量は1.7リットルで、5mmのオフセットシリンダーは内部抵抗を低減します。ベルトのVマチックトランスミッションは、鋭い発進とスムーズな加速特性となるよう設定されていいます。
Source: WEBヤングマシン