※2018年1月末にクローズしたcarview!個人というサービスがあります。そこに過去寄稿した記事を再掲載いたします。原文ママなので掲載時とは多少異なる箇所もありますので、ご留意いただきますようお願い申し上げます。
1990年代、まだSUVという言葉が広まっていなかった時代。日本では「クロカン四駆」や「RV」がブームになっていました。その主役は、三菱パジェロ。バブル景気の余韻もあって、高価格なクロカン車ながら新車販売台数で単月トップになったほどで、その時代を体感してきた自分のような世代にとっては、非常にインパクトのある車名なのです。
そのパジェロが消滅するというウワサもありましたが、三菱自動車が発表した2015年度第3四半期決算におけるプレゼンテーションによって、それは否定され、逆にパジェロはロングセラーモデルになることが約束されました。たしかに開発は休止されているといいますが、SUVと電動車を軸とするという2020年における三菱自動車のラインナップにおいて、SUVのフラッグシップとして位置づけられているのはパジェロだったのです。
ひとまずは、改良を進めながら生産・販売を継続するということ、そして2015年にフルモデルチェンジされたパジェロスポーツの次期モデルと合わせて開発タイミングを検討するということがアナウンスされています。つまり、パジェロスポーツがデビューしたばかりであることを考慮すると、2020年に売られているであろうパジェロは、現行車の改良型であることも実質的に表明されたといえます。
思えば、4代目となる現行パジェロがデビューしたのは2006年のことでした。かつての人気を再びとばかりに、2代目を思わせる2トーンカラーが期待の大きさと自信をうかがわせたのですが、乗用系プラットフォームを使ったSUVとは一線を画する本格オフローダー的なテイストが時代にマッチしなかったのか、全盛期にはほど遠い売上だったと聞きます。
その後、2010年にはクリーンディーゼルを搭載したモデルを投入。現在は3.2リッター・クリーンディーゼルを搭載したモデルと3.0リッターV6ガソリンエンジン車をラインナップ。3ドアのショートと5ドアのロングという2つのボディタイプを用意しているのも、パジェロの伝統といえましょうか。
ところで、先日のことですが、クリーンディーゼルを搭載したパジェロの最高級グレードを運転する機会がありました。そのメーカー希望小売価格は495万1800円と絶対的には高価ですが、周りが軒並み値上げ傾向にある中で、パジェロの最高級グレードとして考えると、逆にお買い得という印象さえ受けるのでした。もっとも、クリーンディーゼルについては、市場における基準点が年々上がっていく中で、官能性という視点からは少々古いテイストに感じてしまう面もありますが、クロカン四駆のパワーソースとして見れば、十分に満足いくもので、パジェロというキャラクターにはマッチした質実剛健な印象を受けるエンジンではあります。しかし、ハイ/ローを切り替えるトランスファーレバーを備えた5速ATという駆動系は、乗用車ベースのSUVにはない特徴で、それを使うシチュエーションはほとんどないと思っていても、そのアドバンテージが頼もしく思えるのでした。
もっとも、1990年代のパジェロは、質実剛健だけのクロカン四駆ばかりの中で、乗用車的な味付けやラグジュアリーを感じさせたことがセリングポイントであって、パジェロであっても質実剛健なポジションになってしまったと感じさせることが、現状につながっているのかもしれません。それはさておき、このままパジェロらしくブラッシュアップを続けていき、それでいて価格のアップを抑えていけば、価格に対する満足度の高いクルマになり得るのでは? とも思うのです。ロングボディで2.2tという車重も、2006年のデビュー時に比べると、LサイズのSUVクラスであれば重量級といえるほどではなく、むしろ本格的なフレームシャシー由来のボディを持つSUVという付加価値を感じるボディになっています。
三菱自動車がプレゼンテーションした商品展開を眺めていると、「本格的なメカニズムによるフラッグシップモデルでありながら、お買い得なLサイズSUV」として2020年にパジェロが輝く存在になっている可能性を想像してしまいます。そのためにも、継続的に生産するだけのシーラカンスカーになるのではなく、休むことのないブラッシュアップを期待したいと思うのです。
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精進します。
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Source: クルマのミライ