まだ氏名を明かされていないこの男は2011年から6年間にわたって犯行を続けた。
犯行は夜間に行われ、最大で一晩に70個のタイヤを切り裂いたこともある。2011年に靴の修理に使う穴を開ける道具を見て犯行を思いついたという。
男自身の推定によると、ワインの産地として有名なボルドー周辺で約6000台の車のタイヤを切り裂いたという。この数字について警察は「信用できる」とみている。
同一犯の犯行と気付いた警察は2014年から捜査してきたが、男は現場にDNAを残さず、防犯カメラにも撮影されなかった。
タイヤがしぼむまで時間がかかるよう控え目に穴を開け、発覚が遅れるようにしていたことも捜査を難しくした。
当局にはタイヤをパンクさせられたという苦情が約1100件寄せられ、中には6回も被害に遭った人もいた。
■銀行強盗並みの綿密な計画
男はノートに防犯カメラの詳しい情報を書き込み、翌年12月までの犯行予定をあらかじめ立てるという銀行強盗並みの綿密な計画を立てていた。
ノートを他人に見られた場合に備えて、住所の番号を逆に書くなどの暗号も使っていた。犯行場所は無作為に選び、常に警察の一歩先を行った。
犯行は主に午前2時から午前5時の間に行われ、男は始発の路面電車で帰宅していた。
しかしある住民が男の写真を撮ったことがきっかけになり、警察は29日午前2時ごろ、犯行に出かけようとした男を逮捕。男はすぐに自分が犯人だと認めた。
動機の完全な解明には至っていないが、検事は「強迫観念に取り付かれた孤独な性格」が関係しているようだと話している。
警察によると、男は社会に対する怒りがあり、子供のころに受けた虐待に仕返しするためだったと供述しているという。
別の検事は「男は自分に気付いてほしがっていた。誰かが自分の話を聞いてくれているという感覚を求めていた」と話した。
裁判は来年5月18日に始まる予定。私有財産を故意に損傷させた罪で最大で禁錮2年と罰金30万ユーロ(約4000万円)を言い渡される可能性がある。
AFP 2017年12月2日 16:24
http://www.afpbb.com/articles/-/3153905
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Source: 車速報