2019年モデルの三菱自動車のアウトランダーPHEVは「ほぼフルモデルチェンジ」といえるほどの大幅な進化を遂げています。
その中身は、走りを左右する基幹部分の大幅刷新で、新設計された駆動用バッテリーとエンジンをはじめ、モーターやジェネレーターの出力を向上。
プラグインハイブリッドEV(PHEV)システムの主要構成部品のうち、じつにコンポーネントの約9割を改良するという力の入れようです。
街中から走り出すとモーター走行の頻度がより高まり、バッテリー状態と速度によっては、ほぼEV走行でまかなえるシーンが増えています。改良前よりも駆動用バッテリー容量が12.0kWhから13.8kWhに増えたのに加えて、最高出力も10%向上。
さらに、EV走行時の航続距離も伸びています。リヤモーターの出力を約12%高め、ジェネレーターの出力も約10%アップさせることで、60.8km(S Edition、G Premium Packageは60.2km)から65.0kmまで伸長。これにより、街中や郊外路をほぼEVとして使うニーズに以前よりもさらに応えてくれるはず。
また、従来の2.0Lからアトキンソンサイクル化された2.4Lエンジンは、モーター走行時からエンジンが始動する際の音や振動が改良前よりも明らかに小さくなり、静粛性向上に大きく寄与しているのがよく分かります。なお、エンジンスペックは従来の118ps/186Nmから128ps/199Nmにアップしています。
エンジンとバッテリー、モーターなどの進化により、SUVのカタチをした高級スポーツプラグインハイブリッド」といえるほどの速さを、シーンを問わず披露してくれるのもポイント。
今回、新設された「スポーツ」モードにして高速道路で思い切り加速させると、自制心が必要なほどの瞬発力と加速の伸びを示してくれます。山岳路では少し重さを感じさせるフットワークではあるものの、重さが乗り心地の良さにもつながっています。
試乗車は「S Edition」で、タイヤサイズは225/55R18。電動駆動らしく床下に重いバッテリーを積む上下動や横の動きはあるものの、足の動きは滑らか。
1920kgという重めの車両重量も利いていることもあり、重厚感のある乗り味は、パワートレーンのスムーズさ、高い静粛性もあって5,090,040円(Sエディション)という車両本体価格にふさわしい高級感を備えています。
(文/写真 塚田勝弘)
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Source: clicccar.comクリッカー