単なる絵空事ではない!?
未来的なデザインのアウディが映画に登場する。同社初の試みだ。
この「アウディRSQ e-tron」はバーチャルな高性能2座席コンセプトカー。20世紀フォックスが製作するアニメ映画『スパイズ・イン・ディスガイズ(原題:Spies in Disguise)』に登場する。アウディ デザインとブルースカイ スタジオが共同制作するこのアウディ、AIによる自動運転が可能で、トランスフォームのテクノロジーを備えるEVだ。
作中、RSQ e-tronを運転するのはスーパースパイのランス・スターリングで、ウィル・スミスが声優を務める。優れたスパイであるランスの活躍を助けるのが、このスーパーカー。完全自動運転モードのほか、ホログラムのスピードメーターなどアウディ独自の装備を搭載する。さらにはスパイに必要なスペシャルエクイップメントもあるというが、それは映画を観てのお楽しみとしよう。
あくまで映画のなかの存在とはいえ、アウディが空想するデザイン言語を形に表した点で、RSQ e-tronは私たちクルマ好きにとっても興味深い。
アウディAGのエクステリア デザインスタジオ3のヘッド、フランク・リミリに語ってもらおう。
「アウディのデザインプロセスでは、先進的なデジタル手法を採ります。それはフィクション上のコンテンツでも、量産モデルでも同じです」と言って次のように続ける。
「アウディデザインでは、最新のデジタル ビジュアライゼーション テクノロジーと、人間の手だけができる正確な造形とを結びつけています。つまり、RSQ e-tronのようなバーチャルなコンセプトカーでも、それを人間の手で正しく開発していけば未来のデザインアイデアに行き着くのです」。リミリはRSQ e-tronは単なる絵空事ではないとほのめかす。
ビジネス面でも同様なことが言えそうだ。RSQ e-tronはアウディが推進する「e-tronモビリティ」の知名度を高めるのに一役買うからだ。
「未来的なテクノロジーを携えた国際スパイが世界を救うというストーリー。これはアウディブランドと完璧にマッチしています」と語るのはジョヴァンニ・ペロジーノ、アウディAGのマーケティング コミュニケーション担当副社長だ。そう言い切る理由をこう説明する。
「この映画の基調となる『ファン』、『イノベーション』、『パフォーマンス』といった要素は、そのまま私たちの製品に当てはまるからです」
20世紀フォックスのマーケティング パートナーシップ担当副社長、アーウィン・ウィリアムズは、アウディと20世紀フォックスは数年にわたり良好な協力関係を続けていると明かす。
「この関係が発展して、今回アウディがアニメ映画に登場する運びとなったことに胸を躍らせています。アウディのe-tronテクノロジーと、私たちが創造したキャラクターである、恐れを知らぬスパイ、ランス・スターリング。この2つにきっちりフォーカスが合った作品ができました」
アウディと20世紀フォックス、そしてブルースカイ スタジオの共同作業はこのあとも続き、2019年にランス・スターリングを主役にした第2作を製作するという。
家族揃って楽しめるアニメ映画『スパイズ・イン・ディスガイズ』は来年公開予定。トレーラーは、下記のリンクよりご覧になれるが、ここではほんの触りを紹介しよう。
スーパースパイのランス・スターリング(声優はウィル・スミス)と、サイエンティストのウォルター・ベケット(トム・ホランド)のコンビはまるで正反対の性格。ランスは上品で礼儀正しい。一方のウォルターは、そうではない。
人見知りのウォルターだが、コンピュータを駆使した発明が得意で、アッというようなガジェットを作る。ランスはそれに助けられてミッションを遂行するのだが、事態は予期せぬ展開を見せる。ランスとウォルターが互いに一致団結しないことには、全世界が危機に晒される・・・。
『スパイズ・イン・ディスガイズ』は、世界を股に掛けて活躍するスパイが主人公のコミカルなアニメ映画だ。
【関連リンク】
Fox.co/SpiesInDisguiseTrailer
TEXT/相原俊樹(Toshiki AIHARA)
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Source: clicccar.comクリッカー