東レや住友化学、ブリヂストンなどは28日、主要な部材を合成樹脂に置き換えた電気自動車を公開した。モーターなどの駆動部分やバッテリーを除いて金属やガラスを使っていない。車体の重さは全体で4割ほど軽くなり、一回の充電で走行できる距離を大幅に伸ばせるとみている。
試作した電気自動車はコンセプトカーで、大学や素材メーカーなどが参加する内閣府のプロジェクトで試作した。大学の研究成果をもとに、参加したメーカーが改良し、強度や耐久性を大幅に向上させた。
車体の構造部分は東レが開発した炭素繊維で強化した樹脂を使い、金属のほぼ半分の重さにした。部材の1カ所に力が集中しないようにし、耐久性は従来の炭素繊維強化プラの約3倍に高めた。2種類の樹脂をもとに住化が作った透明樹脂は、フロントガラス用の強度試験で割れないことを確かめた。ブリヂストンは分子構造を網目にすることで亀裂が入りにくいゴムを開発、タイヤを薄くして軽量化した。
プロジェクトを指揮する東京大学の伊藤耕三教授は「10年後をメドに実用化を目指したい」と話す。材料費は数倍になるため、安価な製造技術の開発にも取り組む。
世界の電気自動車の開発競争は激しくなっている。バッテリーやモーターだけでなく、車体の軽量化も性能向上へのカギを握る。
(コンセプトカー)
・9割樹脂の電気自動車、日本で公開
https://sptnkne.ws/jDvj
2018年9月28日 10:38 日本経済新聞
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO3586069028092018MM0000
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Source: 新型車情報局