新型モデルにスイッチしても「はしご型」ラダーフレーム構造を採用するジムニー(ジムニーシエラ)。2本のクロスメンバーを追加し、さらにXメンバーの新設により、ねじり剛性を約1.5倍に高め、オフロードからオンロードまで走りを磨き上げています。
林道などのオフ、ラフロードで活躍するシーンが多そうなジムニーでも、メインで走るのはオンロードというケースが多いはず。まずは、舗装路での走りをチェックしたいと思います。
フレームとボディの間にある合計8つのマウントゴムは、大型化により防振性能を高め、フレームからボディに伝わる振動を低減するとしています。
高剛性化とボディマウントゴムの効果はオンロードでも明らかで、先代よりも微振動を抑えながら大きな入力があっても乗員が感じる上下方向の振動はかなり減衰されています。これは、オフロードでより実感できるステアリングダンパーの新採用によるキックバックの低減も利いているようです。
もちろん、モノコックボディの乗用SUVのような乗用車ライドの快適性とは異なるものの、一段と洗練された乗り味は魅力。そこに、ストローク感のあるジムニーらしい乗り味も健在ですから、長年乗り継いできたファンにとっても十分に受け入れられるのではないでしょうか。
また、オンロードで進化を感じるのがロールの出方。先代よりもグラリとくるシーンが減っている上に、パワステのフィーリングの正確性が増し、ライントレース性も高まっています。
ジムニーが積むロングストロークの「R06A」ターボは、先代の「K6A」型の64ps/103Nmから64ps/96Nmに、トルクはわずかにダウンしています。しかし、1030kgから1040kgという程度の車両重量には力不足はほとんど感じさせず、使用頻度の高そうな中・低速域でも軽快な走りが可能。
ターボラグは感じさせるもののターボのレスポンスも良好で、5速MTであれば期待する加速感を引き出しやすいのも美点です。
非常に短時間の試乗でしたが、ジムニーシエラのオンロードの振る舞いは、ジムニー以上に余裕を感じさせます。シエラのエンジンは、先代の1.3Lの「M13A」型から1.5Lの「K15B」型に載せ替えられています。これにより88ps/118Nmという先代のスペックから102ps/130Nmまで引き上げられています。
シエラは、ジムニーよりもトレッドが拡幅されていて(前後ともに130mmプラス)、タイヤサイズも195/80R15のジムニーに対して、シエラは175/80R16ですからフォールディング性能、そしてコーナーでの安定性も高くなっています。高速走行が多いのであれば、シエラを選択した方が利点は多そうです。
(文/塚田勝弘 写真/前田惠介)
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Source: clicccar.comクリッカー