マニアにとって垂涎の存在! 時価4000万円の超プレミアムも納得
ニスモの技術とノウハウを結集した究極の第2世代R!!
14年の時を経て、至宝のチューニングカーが我々の前に姿を現した。そのマシンの名は“ニスモR34GT-R Zチューン”。当時、世界最強のロードゴーイングカーとしてニスモの技術を結集して作られたRである。
総生産台数は19台、国内には保存車両を含め15台が放たれたが、今や日本国内には数えるほどしか残っていないと言われる。この貴重なマシンをOPTIONの取材に快く提供してくれたのは、GT-R専門の中古車店グローバルオート。
新車当時の販売価格1690万円(本体)に対し、現在の相場(時価!?)は4000万円かそれ以上と言われているだけに、その取り扱いはドキドキもの。
ところで、ZチューンはR32からスタートした第2世代GT-Rが15年に渡って数々のレースで積み重ねたノウハウを注ぎ込み「TOP OF THE GT-R」をキーワードに作り上げたコンプリートカー。
ニスモの創立20周年を記念して、2004年に20台限定の予定で製作されたもの。実際には保存用車両、開発車両も含め19台が製作され、うち4台が販売時に海外に送られたという。
注目の改造箇所はクルマの隅々にまで及ぶもので、もちろんZチューン専用パーツも多数。まず注目なのは、GT用のブロック、コンロッド、クランクに専用鍛造ピストンを組み合わせた2.8L仕様のZ2エンジン。IHI製ボールベアリングタービンとの組み合わせで、最高出力500ps、最大トルク55kgmを獲得している。
ハイパワーを受け止めるボディには、ドア開口部のスポット増しに加え、溶接できない部位にはCFRP張り付けで剛性アップ。サスペンションにはザックス製の減衰力3ウェイ調整式車高調ダンパー、フロントブレーキにはブレンボ製のモノブロック6ポットキャリパーを採用している。
そしてZチューンの存在感を高めているのが「進化を纏う」をコンセプトとしたワイドボディエアロパーツ。フロントバンパー、フロントフェンダー、ボンネットには軽量・高剛性なドライカーボンを惜しげもなく投入。
シルバー系の専用ボディカラーに、レッド系をアクセントとしたインテリアなど、その質感も“究極”に相応しいものとなっているのだ。
PHOTO:Nobutoshi Kaneko
スペック
■エンジン:RB26DETT改Z2(500ps/55kgm) GTエンジンブロック(強度/剛性変更品)、鍛造ピストン(専用品)、GTコンロッドspec2、GTクランク、カムシャフト(専用品)、メタルヘッドガスケット、燃焼室形状変更&ボリューム調整、ポート拡大&研磨、カム逃げ加工、GTコレクタータンク、IHIタービン(専用品)、高流量インジェクター、フューエルポンプ、ECM(専用品)、ツインオイルクーラー(専用品)、アルミラジエター、インタークーラー、パイピング、チタンマフラー(WELDINA NE-1)他
■ドライブトレイン:カッパーミックスツインツイン、デフ(F:機械式LSD RアクティブLSD)、カーボンプロペラシャフト、ETSコントロールユニット
■フットワーク:3WAY車高調(ザックスZ-tune専用品)、強化スタビ、強化ブッシュ、強化ブレーキ(F:モノブロック6ピストンキャリパー+365mmローター R:鍛造4ピストンキャリパー+355mmローター)
■ホイール:ニスモLM-GT4 GT500モデル(18×9.5J)
■タイヤ:ブリヂストンPOTENZA RE01R(265/35-18)
■エクステリア:Z-tune専用CFRPエアロ(フロントバンパー、アンダーパネル、フロントブリスターフェンダー、リヤスポイラー)、サイドスカート(ABS樹脂)
■インテリア:エアバッグ付きステアリング、Z-tune専用シート、ドアトリム、320km表示ホワイトメーター、MFD(バージョンIIタイプ)
※仕様は販売当時のもの
高出力と高い耐久性を両立させた、ニスモ渾身のコンプリートエンジン「Z2」。GTブロック、GTクランク&コンロッド、専用鍛造ピストンを組み込んだ2.8L仕様にニュル24時間でも実績のあるIHI製タービンを装着。ブースト圧1.5キロの設定で500ps以上を発揮する。
冷却系はインタークーラーが冷却性能を高めたものに変更されているほか、ラジエターも大容量のアルミタイプを採用。ツイン装着のエンジンオイルクーラーもZ-tune専用装備となっている。
排気量アップとハイブースト化に合わせてキャタライザー性能とパイプ形状、口径を最適化したチタンマフラーを採用。カーボンプロペラシャフトにミッション、デフクーラーも標準装備と、駆動系までスペシャルな作り込みだ。
フロント重量軽減のためアンダーパネル付きのフロントバンパー、片側15mmワイドのブリスターフェンダー、ラムエアダクト付きボンネットにはドライカーボンを採用。リヤウイングにもカーボン製フラップを追加している。
レイズと共同開発のLM-GT4 GT500モデルホイールは、オフセットをZ-tune専用としたもの。当時、標準装着タイヤはポテンザRE01Rだった。ザックス製の高性能な車高調とブレンボモノブロック6ポットもファン垂涎ものだ。
センター部がレッドのアルカンターラで張り替えられたレザーシートが印象的なインテリアには、320km/hフルスケールホワイトメーターやデータロガー&ラップ計測機能付きのマルチファンクションディスプレイも採用。
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Source: clicccar.comクリッカー