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実は突貫仕様だった!? OPT300ZX耐久レース仕様を詳しく見てみると……その8【OPTION 1985年7月号より】

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なんと、初戦完走した我がOPTION 300ZX。しかし、その仕様は一部「突貫」だったことが判明しました。まぁ、よくある「間に合わなかった」ってものですが。では、その個々の仕様をチェック。オマケの【裏話】も・・・!!

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目次

ストリート発展型 300ZXメカ図鑑

チューンドカーでレースが可能か。その限界を追求した姿は、まさにストリートとレースのMIXだった

<ボディ担当:東名自動車>
市販ボディキットで重量1100kgだ

第1戦だけはボディもノーマルに近い市販ドレスアップキットの耐久性テストというのがテーマだ。そのキットはFRPの東名製輸出用ZXタイプを採用。フロント・フェンダーとサイドステップ、リヤ・オーバーフェンダーの3点セットだ。フロント・スポイラーはZスポーツ・タイプ。これにFRPのボンネット、両サイドドアも東名が用意した。リヤスポイラーは純正輸出用。このボディキットはまったく問題なく、レースにも使えることが証明された。

むろん、室内は軽量化され(パネルは以前、RE雨宮で製作したもの)、安全燃料タンク、消火器付き。しかし、エンジンを積んだドライ重量は1100kgとさすがに重い。

<エンジン担当:HKS>
ボルトオンターボとPFC・Fコンで大成功

VGターボのHKSチューンは、基本的に最高速テスト(289km/h)のデータが採用されている。ターボはTD08の大容量タイプだが、実質的にはストリートのスーパーターボ仕様といえる。

ヘッド関係は、ラッシュアジャスターを除去したシム式として、ハイリフトのカムシャフトを採用。ピストンは試作の鍛造品だ。ただし、クランクシャフトがノーマルのため、6000rpm以内に抑えて、ブースト圧も0.8kg/cm2で耐久性重視という設定。パワー的にも300ps以下だ。

それでも秘密兵器の新開発PFC・Fコン(プログラムド)で燃料をコントロールすることに成功。EGI(電子制御インジェクション)エンジンのチューニングに画期的なシステムだ。

<駆動系担当:NISMOスポーツ>
71BのOP1ミッションと3.1デフの組み合わせ

さすがに駆動系はノーマルではやや不安。そこでNISMOが第1戦用に用意してくれたのは、ミッションが日産71Bのオプション1。1速2.818/2速1.973/3速1.470/4速1.192/5速1.000のクロスだが、エンジン回転を抑えたため、デフ(LSD付き)のファイナルギヤを3.545から3.364、3.154と上げて対処している。

オーバードライブ5速のノーマルミッションを使うことも考えたが、2、3、4速が離れているため、最終的にサーキットには合わないと判断した。エンジン回転が上がれば、このままでOKだ。

ブレーキは大型の輸出用ディスクローター(ベンチレーテッド)を採用している。

<タイヤ担当:横浜ゴム>
サイズもなんとストリート仕様のまんま!

レースで重要なタイヤはヨコハマが担当したが、ストリートに近い姿ということで、市販ラジアルを採用。それでも輸出用A008というのがOPTらしいだろう。パターンはアドバン・タイプDだが、コンパウンドが違い、サーキット走行にも十分使えるのだ。

サイズは205/55、225/50、245/45のVR16を用意し、東名製ターボ・ホイールに組む。このホイールはいかにも男性的なデザインでブレーキ冷却効果もある。レースでは重量級ZXと300psのパワーを駆使するには容量不足だったが、162周走っても、ほとんどすり減らない点が完走に大きく貢献したのだ。

<サスペンション担当:東名自動車>
間に合わせのサスセッティングで苦労

実はサスペンションはNISMOスポーツが担当したが、レースには間に合わず、東名で製作した。コイルスプリングは1種類で、ダンパーもカヤバ(後は8段調整式)の市販レース用を加工して取り付けるという応急処置だ。

このため、車高調整もエンジンが載った予選前日に、コイルをカットして合わせる事態になった。スタビライザーもノーマルしかなかったのだ。

これでもサスはソフト気味で、しかもロールするためステアリングは鈍感で切り始めは曲がりにくく、オーバーステア現象も発生するという扱いづらさだった。しかし、第2戦からはNISMO製で強化されるのでコーナリングスピードは速くなること必至だ。

【裏話:ホントは予選落ち…だった!?】

当初、OPT300ZXはLD3クラスで登録していた。ところが、突然のランチア参入で、このレースは準国際格式から国際格式に格上げされてしまい、ドライバーのライセンスの関係からLD2クラス登録を余儀なくされてしまった。

LD2クラスといえば、寺田/従野/片山駆るマツダ737Cとか、レノマ84CなんていうグループCカー群の中で戦わなきゃいけないわけだ。

なんとなく「損した感じ」で迎えた公式予選。ベストタイムは84年度F3でシリーズランキング2位に輝く山田英二がマークした1分51秒67。このタイムは予選登録29台中25位であった。といえば聞こえはいいが、内2台は出走せず、さらに2台はリタイヤしたわけで、つまり……。おまけに予選通過タイムの1分49秒に2秒およばず……。厳密にいえば予選にて既に散ってしまっていたのだ。

しかし、出走台数が少ないという理由で嘆願書が受理され、決勝レースも走っていいよ!ということになった。多賀TMSC会長殿、ありがとうございました。ホント、一時はどうなることかと思ったが、予選で討ち死に!なんて、カッコ悪くてしようがないもんね。

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裏話のほうが面白かったりして!! でも結果、完走し賞金も頂いたのだからOKでしょう。次回は、ドタバタなピットレポートをプレイバックします!

[OPTION 1985年7月号より]

(Play Back The OPTION by 永光やすの)

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Source: clicccar.comクリッカー

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