2016年11月のミラノショーでT7コンセプトという名で発表されたMT-07の並列2気筒エンジン搭載のアドベンチャーモデルは、翌年のミラノショーでTénéré 700 World Raidと名前を変えて進化版が発表された。そして、2016年のミラノショーでの予告通り、2018年に世界の道を走り始めたのだ。
世界中の道なき道を走破し、優位性をアピール
T7コンセプトが発表された2016年末時点で2018年中に世界の道を走り出すことが予告されており、それにちなんでプロトタイプのテネレ700には「World Raid」という名が追加されたと思われる。そしてT7コンセプトから集中的な開発が行われ、ついにこの3月、オーストラリアを皮切りにFIND THE NEXT HORIZONという名の世界ツアープロジェクトがスタートすることになったのだ。その模様は公式サイトやSNSなどチェックすることができるが、ヤマハ契約のラリーライダーがオーストラリアの「Ténéré Tragics 2018」という設定のコースを走破する動画から、かなり高いオフロード性能を確保していることが分かる。今後はアフリカ、南アメリカ、ヨーロッパでデモランが実施され、砂丘越えやダカールラリーコースを走破する様子、一般道での走行シーンなどが披露できるだろう。
MT&トレーサーシリーズの美点に冒険性能を追加
オーストラリア編の映像で現れるキーワードはテネレ700の素性を物語っていると思われるが、出てきた言葉はVERSATILE=バーサタイル、AGILE=アジャイル、GLOBETROTTER=グローブトロッターの3つ。まず、バーサタイルは万能という意味で、MT-09トレーサーがこの言葉を標榜していた。色々な用途で使えるアーミーナイフのような利便性を目指したのだ。そしてアジャイルは、俊敏。言うまでもなくMT-09/MT-07のコンセプトとして掲げられた言葉で、この2台に乗れば瞬時にそれが分かる程にこだわって具現化されている部分だ。最後のグローブトロッターは初めて出てきたキーワードで、意味としては世界中を飛び回る人を指している。これをバイクに当てはめるならば大陸冒険マシンとでも言うべきだろうか、まさに世界中の道なき道を走破しようという今回のプロジェクトそのものを指しているだろう。テネレ700は、MTやトレーサーシリーズの美点を受け継ぎつつ、世界中のどんな道でも走れるだけの走破性を確保したマシンだということを今後証明していくのだ。
ニュース提供:欧州ヤマハ
「“コンセプト”から“プロト”に進化したテネレ700」記事はこちらへ
Source: WEBヤングマシン