ミッドサイズSUVの「XC60」が日本カーオブザイヤーをはじめ世界中で賞を獲得するなど勢いに乗るボルボから、新しいモデル「XC40」がデビューしました。サイズ的にはXC60よりも一まわり小さい「XC40」は、メルセデスGLAやBMW X1、アウディQ3といったコンパクトSUVのライバルと言えるでしょう。
運転する楽しさやダイナミックな「走り」の性能を追求する傾向の強いドイツ勢に対して、穏やかで快適な移動空間を提供してくれる印象のあるボルボ。自然と共生する、という意識の強いスウェーデンというお国柄がクルマづくりにも表れているのでしょうか。
このXC40、車内の収納スペースに関する新しい提案が売りの一つだそうです。ユーザーが日常どの様にクルマを使用しているかを調査し、車室内に適切で機能的な収納スペースが不足しているという課題が判明したそうです。
センターコンソールに置いた携帯電話が、ブレーキを踏んだ拍子にフロアに滑り落ちてしまうという経験はだれにもあると思います。また、助手席に置いたコンビニの袋からペットボトルが転がり出てくることもよくあります。不便なだけでなく、危険も伴うこうした課題の解決に、XC40のインテリアデザイナーが取り組んだそうです。
クルマを見せて頂くと、ドアの内側にはノートPCやタブレット、ペットボトルなどを複数収納できる大型のポケットが備えられています。これは、通常ドアに取り付けるスピーカーをダッシュボードに移動させることにより可能になったそうです。
センターコンソール前方には、携帯電話専用に非接触充電機能とUSBポートを備えたスペースが設けられています。またアームレスト下には、ボックスティッシュがちょうど入るスペースとゴミ箱が用意されています。このごみ箱は蓋つきで、ごみが捨てやすい脱着式になっていました。
その他、フロントシートの下にもタブレット端末や小物類を収納するためのスペースがあったり、買い物袋を掛けられる格納式フックがグローブボックスに取り付けられたりしていました。ダッシュボードには各種のカードを差し込んでおけるスロットも設けられていて、必要なモノを手の届くところに置ける配慮がされています。
さらに助手席側、右ひざが来るあたりにもスリットがあり、同乗者がスマートフォンを置けるようになっていました。ただ、スピードによってはコーナーを曲がる時に滑り出てしまう事もあり、もう少し深さがあれば言う事なしです。筆者のスマートフォンがiPhone 7 plusだったので、通常サイズであれば充分な深さだとは思いますが。
運転席から降りて、ラゲッジルームもチェックしてみました。フロアは片手で簡単に折りたたむ事ができ、その下にさらに深い収納が現れました。折りたたんだ部分は間仕切りとなり、小さい荷物が運転中に大きく動くのを防止するのに役立ちそうです。さらに、この間仕切りにはショッピングバッグやカバンをかけておけるフックも取り付けられており、まさに至れり尽くせりといった印象でした。
安全装備でも最先端を行くボルボですが、この様な日常づかいに対する細やかな配慮は非常にユニークなところです。
日本車、ドイツ車、アメ車と、それぞれに個性があり、クルマ選びは楽しくも悩ましい作業ですが、このところのボルボの勢いで、スウェーデン車という新しい選択肢が加わりました。ますます、クルマ選びが難しくなりそうです。
(Toru ISHIKAWA)
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https://clicccar.com/2018/04/08/576636/
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Source: clicccar.comクリッカー