今年3月、スイス・ジュネーブで世界初公開されたスバルのコンセプトカー「VIZIV TOURER CONCEPT(ヴィジヴ ツアラーコンセプト)が早くも日本初公開!しかもコンセプトカーというと1台の製作費は数億円!しかもしかも世界に1台しか無いというワンオフ。モーターショーなどでの一般公開のときは柵でガードされますが、今回はまわりに柵無しという太っ腹です。
さらに8台のスバルのコンセプトカー「VIZIV」シリーズうちの4台が展示されています。こちらは、3月30日より東京・恵比寿のスバル本社ショールーム、スバルスタースクエアにて開催されていた「SUBARU DESIGN MUSEUM」でのお話。ほかに現在、スバルのデザインを取りまとめている石井部長の生スケッチ画、クレイモデルなどが展示されていましたが、石井部長の「スバルのモノ作りをデザインの視点でお客様にお届けしたい」という思いから開催されたとか。土日には石井部長自らデザインのプレゼンテーションを行うという力の入れよう。
というわけで、私も行ってみました。実は数日前にちらっと覗いてみましたが、最終日(4月7日(土))は石井部長のプレゼンテーションがあるというので、せっかくならご本人からその「思い」を聞きたいなと。
プレゼンテーションは「1917年にスバルの前身である中島飛行機が設立され、飛行機は安全に帰ってくるように設計されています。スバルの安心・安全に対する原点はそこから始まっています」という話から始まります。
そして「スバルは去年、100年を迎え、富士重工業株式会社から株式会社スバルにかわり、モノを作る会社から、笑顔を作る会社になり、安心と愉しさをお客様にお届けしたい」と。
では、安心をスバルはどのようにデザインで表現しているのか?といえば「ヘキサゴングリル」がそれ。安心をグリルで表現しているのです。
ちなみにこれまでのスバルのコンセプトカー「VIZIV」シリーズの8台は、
2013年「VIZIV 1(ワン)」
2013年 東京モーターショーで「VIZIV 1」の進化系
2014年3月 ジュ―ネーブで「VIZIV 2コンセプト」
2014年 「VIZIV GTビジョングランツーリズモ)」
2015年 東京モーターショーで「VIZIV FUTURE CONCEPT(フューチャーコンセプト)」
2016年 LAショー 「VIZIV 7 SUVコンセプト」
2017年 東京モーターショーで「VIZIV PERFORMANCE STI CONCEPT(パフォーマンスSTIコンセプト)」
2018年 ジュネーブで「VIZIV TOURER CONCEPT(ツアラーコンセプト)」
ですが、この中で今回展示されていたのは「ヴィジョン2」「フューチャーコンセプト」「パフォーマンスコンセプト」そして「ツアラーコンセプト」の4台。
VIZIVシリーズ最初の「ヴィジョン1」と「1」の進化系では、打ち上げ花火的な存在。「ヴィジョン2」から一目でスバルとわかるデザイン、ダイナミックコンセプトを打ちだし、「パフォーマンスコンセプト」は止まっているときでも走っているように見えるデザインをイメージし、前に荷重がかかっている感じにデザインをしたとか。具体的に動きを出すための手法は、①前傾軸にする。②ダイナミックソリッドということで、踏ん張って安定して見えるようにスタンスを取った。③面の硬さのコントラストをつけた、とのこと。
ちなみにVIZIV(ヴィジヴ)とは「Vision for Innovation」(革新のための未来像)の意味。
そしてどう作れば「スバルっぽい」デザイン、スバル車になるのでしょうか?
・ヘキサゴングリルからはじまるライン
・ダイナミックなアーチ
・エッジを効かせた硬い船の形からのふくらみ
そしてサイドのVライン、だそうです。
そして完成したコンセプトカーの反省点から学んだものから次のコンセプトカーに活かされていきます。それが石井部長の言う「トレンドを横目に見ながらスバル車らしいクルマを作る」ということへと繋がって、「スバルデザイン」となっていくのです。
(吉田 由美)
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Source: clicccar.comクリッカー