4月1日に鈴鹿サーキットで決勝レースが開催されたピレリスーパー耐久シリーズ2018「鈴鹿 春の陣」。そのスーパー耐久で、もっとも排気量が小さい1500cc相当のST-5クラスは今シーズンも混戦が繰り広げられています。
ガソリンエンジンで1500cc、ディーゼルエンジンでは1500ccターボで争われるST-5クラスは、街を走る身近なクルマがFIA-GT3などのスーパーカーメインのST-Xや世界戦規格のレーシングマシンST-TCRクラスなどに混じってレースをするということで、注目するファンも多数。特に同じクルマに乗っているからそのチームを応援するというコアなファンが多いクラスでもあります。
そんなST-5クラスでポールポジションを獲得したのは、なんと初参戦チームの168号車冴えカノレーシングWITH FCA。アニメ「冴えない彼女の育てかた」のキャラクターが描かれたガチな痛車での参戦は、開幕前から大きな話題となっていました。
2番グリッドには2号車TEM221ロードスター。
予選ではダントツタイムで暫定ポールポジションながらピット作業のミスでペナルティーを受け、2グリッド降格の3番グリッドとなってしまった4号車THE BRIDE FIT。
4番グリッドには48号車DIJON ホンダカーズ野崎エンドレスFITとなり、この予選結果を見て、大方の予想はホンダFIT勢に傾くのではないか?と思われていました。
序盤から快走を見せたのは予選トップの冴えカノFIT。そこに執拗に食らいつく221ロードスター。序盤の30分はこの2台が激しいトップ争いを展開していきます。
しかし13周目でミッショントラブルにより冴えカノFITがピットイン。修復作業に大きな時間を費やすことになり大きく順位を落とします。そこでトップに浮上したのが221ロードスター。コース上のアクシデントの際に低速走行と追い越し禁止が適用されるフルコースイエローという新しい制度をうまく使ったピットインが功を奏し、先行逃げ切りを展開します。
そこに追いつき追いこせな勢いで迫って来たのが、THE BRIDE FITと88号車村上モータースMAZDAロードスター。
そしてDIJON ホンダカーズ野崎エンドレスFIT。この4台がピットインの度に順位を入れ替え、トップを争いながらレースを進めていきます。
その背後で虎視眈々とチャンスをうかがっていたのが、予選9番手だった37号車DXLワコーズNOPROデミオSKY-D。一発の速さはないものの、燃費のよさと安定感で徐々にポジションを上げていったのです。
4時間経過後には221ロードスター、DIJON FIT、そしてTHE BRIDE FITという序列がほぼ決まり、このままゴールして行くかに見えましたが、なんとラスト10分でTHE BRIDE FITがピットイン!リア周りを修復してピットアウトするもラスト5分でリタイアを喫してしまいます。
そこで3位に浮上したのが村上モータースMAZDAロードスター。
4位に浮上したのがDXLワコーズNOPROデミオSKY-D。
221ロードスターは後続の順位変動などそ知らぬ顔でトップを突き進みます。
そして5時間後のフィニッシュ。221ロードスターは昨年の初参戦から初めての優勝。そしてマツダとしては昨年の第2戦SUGOから通算6連勝という快挙を成し遂げたのです。
2位にはDIJON ホンダカーズ野崎エンドレスFIT、3位には村上モータースMAZDAロードスターという順位。
ディーゼルエンジンで孤軍奮闘のDXLワコーズNOPROデミオSKY-Dは4位となり、上位陣はマツダ勢多数という結果となりました。
マツダ対ホンダという2大勢力の競い合いとなったスーパー耐久ST-5クラス。次戦は4月28日(土)・29日(日)の2日間、テクニカルコースとして有名でまた魔物が棲むといわれるスポーツランドSUGOでの3時間レース。今回とはまた違った展開が期待されるだけに、身近なクルマたちがどう戦うのか?を注目していきましょう。
(写真・文:松永和浩)
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Source: clicccar.comクリッカー