他のSUVでは味わえない走りで人気の、特別仕様車「ノートシーギア」ってこんなクルマ

嗜好品という側面もある自動車は、つねにトレンドの大きなうねりの中にいます。世界的な潮流はご存知のとおり、クロスオーバーSUV。世界中のメーカーから多種多様のプロダクトがリリースされています。

後席ひろびろのゆとりのパッケージングに加え最近ではe-POWER追加により好調のノートにも、SUVテイストを演出している特別仕様車が存在します。それが「ノートシーギア」です。といってもマリンテイスト仕様ではなく、クロスオーバーの「Cross」の頭文字からの命名です。

その全身にはベース車のノートにはない特別なアイテムがおごられ新鮮な魅力を放っています。まず目をひくのがボディパーツ。フロント、フェンダーアーチ、サイド、リヤアンダーに装着されている「スタイリングガード」です。

もともと悪路の走行からボディを護るという効果を狙っているこうしたボディパーツは、アクティブなイメージを増幅してくれます。

しかし、ノートシーギアはそうしたアウトドアイメージだけを求めませんでした。コテコテのアウトドアテイストをめざすのではなく、都会的なイメージも感じられるテイストに仕上げました。よって、ガードとしての機能を重視するなら無塗装の素地のままのほうが理にかなっているのですが、ノートシーギアではこれらパーツをあえてダークメタリックに塗装しています。その塗色にもこだわりがあって、じつはR35GT-Rのアンダー部分と同じ色を採用しているのです。

これらパーツに艶と渋さがあるだけでずいぶんと印象が上品になります。

さらに、ダークトーンだけだと地味になってしまうところを、上手な差し色でバランスを取っています。それが、フォグランプを囲むフィニッシャーです。このグリーンのアクセントカラーは、トレンドのアウトドアアイテムに採用されている世界観のものを色として用いて、ファッション性を持たせるとともに、ハイテク感を演出してくれます。

企画担当者の日産ノートシーギア企画担当　坪根宏明さんによればこの差し色は「オレンジや赤などさまざまなカラーを試しましたが、グリーンのマッチングが最良でした。発色と耐久性を両立させるため金属調塗装にクリアコートを重ねるなど工夫を凝らしています」とのこと。

このグリーンをあしらったアクセサリーは、ディーラーオプションとして用意されています。フロアカーペットやドアバイザーを選べば、より一層、個性を演出できます。

ノートシーギアに用意されるボディカラーは全8色。やはりというか、ボディパーツが「映える」ホワイトパールが一番人気だそう。ホワイトパールの占める構成比は、ノーマルのノートだと２～３割のところ、ノートシーギアでは６割を超えているそうです。

インテリアも、シート背面と座面の一部にグリーンをイメージさせるデザインを採用しています。「あえて色みを抑えることで、上質感を表現しています」（坪根さん）とのことです。

そしてアウトドアテイストを演出するもうひとつの決め手が、ルーフモールです。デザイン上のアクセントであり、荷物を載せたりといった実用的な使い方はできないのですが、これがあるのと無いのでは印象は大違いです。

また、グロスブラックに塗装された専用デザインの15インチホイールにより足元にもしっかりとタフネスな印象を加えているのがノートシーギアの特徴です。これら専用パーツによりトータルでSUVテイストを演出しているノートシーギアですが、e-POWERにのみ用意されているパッケージオプションを選べば、走りのパフォーマンスを向上させることもできます。

「ツーリングパッケージ」と呼ばれるそのセットオプションは、ベース車よりワンサイズアップの16インチアルミホイールと195/55R16サイズのタイヤと、専用にチューニングされたサスペンション、随所に配されたボディ補強などが特徴。出力を制御するVCMもスポーツタイプになり、モーターのレスポンスやパワーステアリングもスポーティ寄りにセッティングされるという盛りだくさんのメニューとなっています。

実はこのパフォーマンス系を仕立てたのはNISMOであり、その走りはe-POWER NISMOと同等なのです。チューンドコンプリート色を前面に出しているノートe-POWER NISMOのスタイリングももちろん魅力的ではありますが、年齢などを考えて派手さに抵抗があるような方や、トレンド感をふまえたエクステリアを好む人にはノートe-POWER X シーギアがおすすめです。