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【新型アルピーヌA110試乗】ミッドシップレイアウトらしい切れ味の鋭さと圧倒的な加速フィール、高い快適性が魅力

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「先代」のオリジナルモデルが鋼管フレーム(バックボーン型)にRR(リヤエンジン・リヤドライブ)という駆動方式を採用していたのに対し、新星アルピーヌの新型A110(エーワンテン)は、アルミボディのミッドシップエンジンに生まれ変わり、エンジニアリング的には別モノに生まれ変わっています。

また、デザインも先代へのオマージュを感じさせながらも、歩行者保護を含む衝突安全性能をクリアした要件が盛り込まれるなど、求められる技術要素は、初代A110と新星A110とでは自ずと違っています。

オリジナルのA110は後期型でも車両重量は800kg台中盤で、現在の少し軽めの軽自動車くらいといった重さ。新型A110もカタログモデルの車両重量は、1110kg〜1130kgと、ボディ・ストラクチャーの96%がオールアルミ化された軽量化の恩恵でライトウェイトスポーツを名乗るにふさわしい仕上がりといえるでしょう。

1.8Lの「M5P」型エンジンは、日産シルフィなどに積まれている「MRA8DE」型を進化させたもので、内径79.7×行程90.1mmというボア・ストロークは同じ。なおシルフィは、131ps/6000rpm、174Nm/3600rpmというスペックで、レギュラーガソリンを指定。

プレミアムガソリン仕様になる新型A110は、直噴ターボの搭載をはじめ、エアインテーク、エキゾースト、エンジン制御系の見直しにより252ps/6000rpm、320Nm/2000rpmまで大幅に引き上げられています。

新型A110の全長4205×全幅1800×全高1250mmという短めのボディに収まると、想像よりも車内にはゆとりがあり、身長171cmの筆者なら窮屈ではなく、これなら毎日乗っても苦にならないといえる居住性が確保されています。

カタログモデルの「ピュア」は、前後スライドのみで、シートリフター・リクライニング機構が省かれていますが、チルト・テレスコピックともに備わることもあり、運転姿勢にも違和感はありません。「リネージ」を選べば、リフター・リクライニング、シートヒーターまで備わります。

また、アクセルとブレーキペダルと位置、ステアリングのセンターとペダルレイアウトのオフセットもほとんどないレベルに収まっています。日本でもよく売れている輸入車の中には、右ハンドル化によって左足の置き場がなくなり、右側に斜めに座るような姿勢を強いられるモデルもありますが、十分に納得できます。

街中から走り出すと、エンジンに扱いにくさはなく、ゲトラグ製の湿式7速DCTの仕上がりも良好。ルノー カジャーにも積まれているゲトラグ製の湿式7速DCTよりも極低速域でのマナーもよく、スムーズに発進、減速が可能です。

峠道でアクセルを踏み込むと、リヤタイヤが強く蹴り出すような力強さが堪能できます。それでも「ノーマル」モードであれば、ピーキーな振る舞いはなく、コントロールしやすい範囲で加速が楽しめます。

さらに、「スポーツ」モードに入れると、一般公道では踏み切れないほどの強烈な加速Gを伴いながら押し出されるように加速。それでいながらドライ路面で常識的な範囲であれば、ミッドシップにありがちな、急にフロントのトラクションが抜けるような状態には陥りません。なお、「スポーツ」でもESC(横滑り防止装置)は解除されませんから、サーキットなどのクローズドコース以外では「スポーツ」までの走行が推奨されていました。

もちろん、最大の期待であった意のままのハンドリングも想像以上で、コーナーの種類を問わずよく曲がってくれます。ライントレース性は非常に高く、コントロールのしやすさも美点。

タイヤはDT1の刻印がされた専用設計で、ミシュラン「パイロット・スポーツ4」。サイズはフロントが205/40R18、リヤは235/40R18。乗り心地は多少硬めではあるものの、街中の荒れた路面でもコツコツ感はあまり抱かせません。セカンダリーダンパーも備えるダンパー、比較的余裕を感じさせるストローク感もあって想像していたよりも快適でした。

ピュアスポーツでありながら、日常使いも余裕でこなす現代のスポーツモデルに仕上がっています。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)














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Source: clicccar.comクリッカー

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