英家電大手ダイソンは20日、開発を進めている電気自動車(EV)について、日本が最初の発売国になる可能性があることを明らかにした。
同社は2020年にEV市場に参入する方針。今後、市場拡大が進むEVに自動車メーカー以外からの参入が相次ぎ、競争が激しくなりそうだ。
ダイソン創業者でチーフエンジニアのジェームズ・ダイソン氏が20日、日本経済新聞社などの取材に応じた。「バッテリーやモーター、空調、
ロボットと、必要とする技術は全て持っている」と述べ、EV開発に自信を見せた。また「次世代のクルマを開発する良いタイミングでもある」
と2020年に参入する意向を改めて示した。
ダイソン氏はEVについて、発売になれば「当然、日本にも投入する」と語った。さらに「日本が最初の市場になる可能性もある」とした。
ダイソン氏が発明したサイクロン式掃除機は、日本で最初に技術が認められて製品化した経緯がある。ダイソンがブランドとして確立されている
日本はEVでも有望市場と考えているとみられる。
ダイソンのEV参入に対しては自動車業界を中心に「家電メーカーが造れるのか」といった疑問の声が聞かれる。ダイソン氏は「90年代には
ディーゼル車の排ガス処理の技術を開発した。自動車はそれ以来ずっとやりたかった」と技術に自信を見せた。
ダイソンは20日、新しいスティック型コードレス掃除機の旗艦モデル「V10」シリーズを日本で発売すると発表した。運転時間が60分続くのは
コードレス掃除機として最長とされる。ダイソン氏は「1台で家中を掃除できるように1時間という数字にこだわった」と述べた。
V10には過去15年間で累計3億5千万ポンド(約511億円)を投じ開発にこぎ着けた新型モーターを載せ、毎分の回転数を12万5千回に
引き上げて吸引力を高めている。モーターやバッテリーの改善は「掃除機とクルマどちらにも使える」(ダイソン氏)技術だという。
世界での環境規制の強化を控え、EVは既存の大手自動車メーカーだけでなく、米テスラなど新興企業の台頭も目立っている。
今年で創業25周年を迎えるダイソンは、掃除機で浸透したブランド力を生かしEV市場でも存在感を高めていく考えだ。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO28398180Q8A320C1TJ1000/
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Source: 新型車情報局