RE雨宮、RSヤマモト、そしてトラスト…この3社が当時、「最高速御三家」と呼ばれていました。OPT創刊当時からの良きライバルでもあり…。が、しかし、誰が先に300km/hオーバーを記録するのか!? 内心はそれぞれ、いろいろあったかと想像します。そしてついに、伝説となった「大川ソアラ」も記録達成です! 見た目はなんてことのないただのソアラ(失礼!)ですが、そのバケモノ度を覗き見してみましょう。
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セリカXXでの経験がこの記録を作った
トラスト・ツインターボ・ソアラ 300.50km/h
このマシンを見た人は、本当に300km/hをオーバーしたマシンなのだろうか?と思うかもしれない。外観から受けるイメージは、純正のフロントスポイラーとボルクエアロのリヤスポイラーによって、中年の紳士(?)がセンス良くまとめたマシン風に見えてしまう。
室内も本革製のシート、エアコン、パワステ、コンポと、ちょっと走り屋のマシンには見えない。ただステアリングコラム上部に付けられたブーストメーター、そしてTVVC(トラスト製ブーストコントローラー)が走りのニオイをほんの少し感じさせる。しかし、このくらいならばボルトオンターボじゃないかとまだ思えてしまう。
しかしボンネットを開いた瞬間、これまでの考えは一気に飛んで行った。エンジン各部には、トラストの最高速セリカXXで得たノウハウをベースに作られたオリジナルパーツが有効に使われている。エンジンはベンチテストで500psオーバーのパワーを6500rpm付近で出している。しかし谷田部でのトライで必要なのは、バンクから計測区間までの加速だ。そのためピークの6500rpmからもパワーが急激にダウンしないようにしている。これはタービンとエンジンのマッチング、バルブタイミングなどセッティングを研究した努力の結晶だ。
そしてキャブレーションについても、セッティングの楽なキャブレターを使わずに、あくまでもインジェクションだ。この点についてもセリカXXは、一時期10数本の補助インジェクターを付けていた。が、ソアラの場合にはこれまでのデータをベースに、3本の補助インジェクターで解決した。
このようにエンジンはセリカXXに比べ、ソアラでは各部をシンプルにしている。その効果か、マイナーなトラブルは減り、より安定したマシンに生まれ変わっている。
エンジン以外でノーマルと違うのは、クラッチをB&Bにしたこと。足まわりをセリカXXで開発を行ったトラストサスペンションキットに変更した程度であった。
空力面では面白いことが発見できた。トラストのテフチューンのパンフレットに使われている写真を見ると、左側のドアが半ドアのように引っ張られている。これを人間の力で実際にやってみようとしたが、とても同じ状態まで引っ張れなかった。風の力の凄さがここでもよく分かる。このソアラも空力的にモディファイしていけば、記録はまだまだ伸びていきそうだ。
ここまで見ていけば、ソアラが簡単にこの記録をマークしたわけでないことがよく分かると思う。セリカXXでのトライが、ソアラの記録を生んだといっていいだろう。
<正直コメント> トラスト 大川光一
ホッとしましたヨ。でもトラストの場合、最高速トライの本命マシンはセリカXXなので、まだまだこれからだと思ってます。でもソアラで300km/hをオーバーしたので、セリカXXはより高い記録を目指して頑張るつもりです。
これからの予定としては、5M-GEUだけに拘らずに、幅広いエンジンバリエーションでどんどんトライしていきたいですね。
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出ました! 伝説の「大川ソアラ」!! しかもドライバーは大川さんご本人のトライです。しかし、この記録もRE雨宮同様、OPTテストで出していただきたかった〜(涙)。
そして次回その3は、最高速御三家に関西より殴り込みをかけたトライアルZが登場します。それまでの光永パンテーラの最速記録を塗り替えたマシンですヨ!
[OPTION 1985年4月号より]
(Play Back The OPTION by 永光やすの)
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Source: clicccar.comクリッカー