ドイツの自動車大手フォルクスワーゲン(VW)のミュラー最高経営責任者(CEO)は13日、ベルリンで記者会見し、電気自動車(EV)の主要部品であるバッテリー(蓄電池)について、韓国、中国の大手企業と200億ユーロ(約2兆6000億円)規模の調達契約を交わしたことを明らかにした。今後数年でEVに積極参入する基盤を固め、主力セダン「モデル3」の生産問題を抱える米テスラへの攻勢を強める。
VWは韓国のサムスンSDIやLG化学、中国の寧徳時代新能源科技などと欧州と中国でのバッテリー調達に合意しており、北米での調達先も近々決まるという。EV推進の一環として、全体で約500億ユーロのバッテリーを購入する計画という。
2025年までに年300万台のEV生産を目指すVWは、年内に新たに3モデルを投入し、その後数十モデルを追加する予定だ。生産拠点も現在の3カ所から22年末までには16カ所とする。
ミュラーCEOは、来年からは、実質的に毎月、新モデルを発表し、世界最大規模でEVを提供していくと強調した。
ただバッテリー購入契約を交わしたとはいえ、電源システムの供給問題解消には程遠い状態だ。最新のバッテリーの主要部分に不可欠なコバルト調達に苦心するVWは、EVに必要なコバルトの使用量を抑える取り組みを進めているという。
ウィッター最高財務責任者(CFO)はブルームバーグ・テレビで「VWは生産に十分な量のコバルトを確保してはいるものの、コバルトの入手が自動車業界全体の長期的課題であることに変わりない」と述べた。
VWはEVの生産台数を増やし、環境規制の強化による罰金を回避しようと取り組む中でも、支出抑制に努めている。17年の開発費は3.9%減の131億ユーロ、売上高研究開発費率は6.7%相当だった。VWは20年までにこの割合を6%まで下げる目標を改めて表明している。
技術シフトを達成するにはVWの現在の製品ラインアップからの収益性維持に重点を置く必要がある。VWは今年の売上高営業利益率を6.5~7.5%と予測している。17年は7.4%だった。(ブルームバーグ Chris Reiter、Christoph Rauwald)
2018.3.15 06:01
https://www.sankeibiz.jp/business/news/180315/bsa1803150601002-n1.htm
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Source: 新型車情報局