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【再掲載】2017年の内燃機関には電動スーパーチャージャーが流行るか

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※2018年1月末にクローズしたcarview!個人というサービスがありました。そこに過去寄稿した記事を再掲載いたします。原文ママなので掲載時とは多少異なる箇所があるほか、名称なども掲載当時のママとなっておりますので、ご留意いただきますようお願い申し上げます。

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12V~200V級まで様々な電動過給を「人とくるまのテクノロジー展」に見た

毎年5月後半の時期にパシフィコ横浜にて開催される自動車技術会が主催する展示会「人とくるまのテクノロジー展」は、その時々の自動車関連のテクノロジートレンドを肌で感じることのできる貴重な機会と感じています。

2016年も「人とくるまのテクノロジー展」の会場に足を運びました。自動車メーカー、サプライヤー、測定機メーカーなどなど、海外からの出展者も含めて500社以上がブースを構える会場を行ったり来たり。ざっと一周するのに2時間、気になるブースを見て回ると、あっという間に一日が終わってしまうといった状況は例年と変わりません。とはいえ、電動化の波も一服したようであり、また自動運転についてはまだまだサプライヤーを巻き込んだトレンドになるフェイズではないようで、全体として大きな流れがあるようには感じられなかったのも事実。その中で、小さなトレンドとして気になったのは「電動スーパーチャージャー」なのでした。ターボチャージャーのコンプレッサーにも似た形状の遠心式スーパーチャージャーの駆動側に電気モーターを配した電動ターボともいえそうなスタイルの電動スーパーチャージャーが、いくつかのサプライヤーのブースに飾られていたのが、なんとも気になったのです。

海外サプライヤーのマグナ・インターナショナルとヴァレオの日本法人が展示していた電動スーパーチャージャーは、12Vと48Vの2種類。つまり、従来型乗用車の電装系にそのまま使えることを考えた前者と、新しい48V電装系トレンドに合わせた後者という2つのアプローチです。一方、日本の部品メーカーではチューニングパーツでも知られるHKSが12Vの電動スーパーチャージャーのプロトタイプを出品。自動車メーカーに収めることも考えているといいますが、日系のメーカーでは48Vが採用されるのは、まだまだ先という判断なのでしょう。もちろん、HKS独自の商品展開を考えると、アフターパーツも意識する必要があるわけで、12Vの電動スーパーチャージャーを優先して開発するというのは当然ともいえるのでしょう。とはいえ、出力のポテンシャルでいえば高電圧のほうが有利。ハイブリッドカーのエンジン部分に使うのであれば、ハイブリッドが使う数百Vの電気系を利用する電動スーパーチャージャーのほうが可能性は広がります。
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減速エネルギー回生による充電したバッテリーでスーパーチャージャーを動かす

そうした高電圧の電動スーパーチャージャーが持つ可能性を示したのが、トラックメーカーのUDです。同社が提示したアイデアは、ハイブリッドトラックのエンジンに、ハイブリッドの高圧バッテリーからの電気供給を前提とした200V級の電動スーパーチャージャーを採用するというアイデア。エンジンを大幅にダウンサイジングしながら、電動スーパーチャージャーにより発進トルクの確保をすることで、大型トラックにおいても総合的に燃費改善が期待できるというパネルを展示していました。

さて、まだまだ環境性能を高めるためにはダウンサイジング過給エンジンというトレンドは続きそうですが、そこにおいて機械的・電気的な過給ではなく、排気の熱エネルギーを利用するターボチャージャーが使われているのは、パワーユニット全体のエネルギー効率を高めるために有効なのであって、結果的にクランク出力を奪うカタチになるスーパーチャージャーというのはエネルギーの有効活用という視点からはネガティブな仕組みという面もあります。一方で、ターボチャージャーよりも低速域から過給をかけることのできるスーパーチャージャーであれば、いままで以上にエンジンをダウンサイジングする可能性もありましょう。

そして、エネルギーの有効活用という点でいえば電動スーパーチャージャーには大いに可能性があると感じたのです。前述したように機械式スーパーチャージャーを動かすには必ずクランク出力を奪う必要があります。電動スーパーチャージャーにしてもオルターネーターを介してクランク出力を奪っているといえますが、減速エネルギー回生システムによって充電した電気を使う領域を広げることで、エネルギー効率に優れたスーパーチャージャーというポジションを得ることができるでしょうから。また、各社で話を伺っていると、過給のリニアリティや制御の自由度においても電動スーパーチャージャーは有利という印象。その意味では、アトキンソンサイクル(高膨張比)エンジンによるハイブリッドカーに、さらにハイブリッドの高圧系を使える電動スーパーチャージャーを組み合わせることで、より熱効率に優れたクルマが生まれてくる、といった予感めいたイメージが湧いてくるのです。もっと想像の翼を羽ばたかせれば、HCCIエンジンに電動スーパーチャージャーを組み合わせることで、HCCI領域のコントロールがしやすくなるかもしれません。

電動スーパーチャージャーはすでに実用化されている技術ですが、その可能性は現在のイメージよりも広がっていくと感じたことが、2016年の人とくるまのテクノロジー展における収穫のひとつだったのです。
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精進します。
  
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Source: クルマのミライ

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