1984年6月、ようやく発売されたMR2(AW11)。今回紹介している1984年10月号のOPTION誌は8月26日に発売されていますので、MR2登場から約2ヵ月後の時代です。
その短期間に各社、いろんな仕様でMR2開発を進めています。今回のその2では、ラリー/ダートラ界に殴り込みをかけるマジョルカ号と、スーパーチューンドを目指すブリッツ号を紹介します!
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目次
チューンドMR2最新全科
【ラリー/ダートラ版】マジョルカMR2ラリー
コイツはラリー界の台風の目だ!
エンジンに手を入れることが許されない国内ラリー界で使用されるマシンは、高い操縦性、ハイパワーなエンジン、コンパクトなボディなどの要素が要求される。その点でミッドシップレイアウトを与えられ、しかも1.6L・130psの4A-Gを搭載した比較的コンパクトなMR2は、ラリー界に現れた大きな台風の目と言える。
足まわりの改造程度しか許されないダートラのBクラスで比較した場合、インスタントに作ったMR2と足が完全に煮詰まったAE86とが同等のタイムを出していること。しかも、マシンのコントロールはMR2のほうが断然楽だといったことからも、ダートラ/ラリーにおけるMR2の秘めたポテンシャルがうかがえるのだ。
今のところ全くのニューマシンなのでミッション、デフ、LSDなど実戦に必要なパーツが揃っていないが、各パーツはラリーショップがこぞって開発中であり、秋にはかなりのパーツ、特に足まわり系が出そろう。
このマジョルカMR2もパーツ開発のために作られたマシンで、マジョルカオリジナルのショックアブソーバーが組まれており、テストを繰り返して市販する予定だ。ボディ補強としてはフロントにストラットタワーバー(アイバワークス製)を入れてあり、アンダーガードもフロント、センター、リヤとフルに装着してある。
このマシンは、まず手始めにダートラBクラスに出場して足まわりやガード等の補強部分を詰め、国内ラリーに参加していくとのこと。
【最強ターボ】ブリッツMR2ターボ
286psはまさにレーシング!
パワースペック286ps!の強烈なMR2が早くも姿を見せた。ミッドシップ・ランナバウト・ターボのステッカーが、外観はノーマルでありながらただものではないことをさりげなく教えてくれる。
エンジンは、カールシュミット製のターボ用鍛造ピストン、ステンレスガスケットを使い、圧縮比を9.4から7.6に下げている。使用するタービンはKKK製K26.2466G6.11で、最大ブースト圧1.8kg/cm2。ドライサンプを採用。エンジン出力286ps/8600rpm、トルク33.5kgm/6800rpmを発生、まさにレーシングエンジンだ。
インタークーラーは水冷式を採用し、エアジエターコアは水冷式のメリットを生かしたスモールサイズのものをリヤスポイラーにサンドイッチマウントし冷却効率のアップとリヤビューの迫力をアップさせている。
このブリッツMR2はシグマオートモーティブの開発。この286ps仕様の発売にはまだしばし時間がかかりそうだが、198ps仕様は45万円前後で発売予定だ。
<ドライサンプ・キット>
シグマオートモーティブが開発した4A-G用のドライサンプ化キットは、オイル系のキャパシティをグンとアップしてくれるから、チューンドカーには最高の武器だ。取り付けも特別な改造も必要なく、シリンダーブロックを一切加工せずに装着できるのも嬉しい。パーツの質感も思わずうなってしまうほどマニアックで、十分に満足させてくれる。
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ラリー/ダートラ界待望のミッドシップ、そしてスーパーチューンド号・・・MR2チューニングはまだスタートしたばかりです! 次回その3では、OPTがシグマオートモーティブと共同開発するスーパーMR2の一次仕様を紹介します。
[OPTION 1984年10月号より]
(Play Back The OPTION by 永光やすの)
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Source: clicccar.comクリッカー