2017年末にマイナーチェンジを受け、年明けから発売されているトヨタ・アルファード/ヴェルファイア。
走りで注目なのがV6エンジンの仕上がりでしょう。試乗日は大雪の影響で首都高速などが閉鎖され、横浜みなとみらい地区の限られた街中を走るだけでしたが、新世代エンジン「2GR-FKS」の実力の一端を垣間見ることができました。
3.5L V6エンジンは、301ps/6600rpm、361Nm/4600-4700rpmというスペック。直噴と吸気ポートと併用する新世代エンジンは、出だしからとにかくスムーズで、しかも低速域から過渡域の応答性も良好そのもの。吹け上がりの気持ちよさはV6をチョイスして良かったと感じさせてくれるはず。
残念ながらその真価が分かる高速域のパワーやパンチ力は、今回は体験できませんでしたが、2tクラスの巨体を軽々と加速させるのはタウンスピードでも容易に想像できます。
しかも、カタログ燃費もマイナーチェンジ前よりも1km/L以上向上していますから、今や大排気量に分類できそうな3.5L V6エンジンに乗る後ろめたさ? も少しは緩和されそう。
燃費向上とスムーズな走りには、6ATから8ATへの多段化も貢献していそうです。多段化だけでなく、ロックアップ領域の拡大や抵抗低減なども図られていて、パワートレーンの進化はオーナーならすぐに分かるはず。
さらに、V6モデルに限らず、2.5Lガソリン車や2.5L+モーターのハイブリッドにもいえますが、構造用接着剤の採用拡大や高剛性ガラス接着剤の使用などによりボディ剛性の向上が図られているうえに、静粛性も一段と引き上げられているのは街中をちょい乗りしただけでも十分に伝わってきます。
静かなのは1列目だけでなく、2列目、そして3列目でも街中であれば驚くほどノイズの侵入が少なく、しかも吸音材を多用したような「ツン」と詰まったような感じがしないのも好感が持てます。
マイナーチェンジ前から高級ミニバンでは、人気、実力ともに「独走状態」で、今回の改良後モデルはミニバンという枠を超えて凄みすら感じさせます。
(文/写真 塚田勝弘)
あわせて読みたい
Source: clicccar.comクリッカー