2017年9月にタイで発表されたCB150Rがついに日本国内に上陸した。これは、タイホンダ製のバイクの販売を国内で手掛けるエンデュランスが3月から発売するもの。当WEB執筆メンバーの大屋雄一がインプレッションする。
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次元を越えた軽快な走り
排気量の異なる全5機種が発表されたホンダのCB-Rシリーズ。その先鋒として”150″が早くもタイからやってきた。今回試乗したのはSTDで、ABS仕様もブラックのみとなるが同時に発売される。
まずはライポジから。シート高は795㎜で決して低くはないが、乗車1Gでのサスの沈み込みが少ないために、やや腰高な印象だ。それでも、タンクのボリューム感からは想像できないほど股下がスリムで、足着きに不安を覚えることはない。
続いてエンジン。10500rpmからレッドゾーンとなる水冷シングルは、低回転域から鼓動感が明瞭で、一段とパワフルになるのは7000rpmを超えてから。スロットルに対するレスポンスが良く、右手の動きだけで車体姿勢を自由にコントロールできる。そして、大きく開ければ149ccとは思えないほど快活に加速する。これは車体の軽さが功を奏しているのは間違いない。
ハンドリングは、車体の絶対的な軽さに単気筒の慣性モーメントの少なさが加わり、倒し込みや切り返しがとにかく軽快だ。前後サスの動きは決して上質ではないものの、しなやかなフレームとのマッチングにより高い旋回力を発揮する。一方、高速域での直進安定性は最低限担保されているものの、ライポジ的に風圧を受けやすいこともあり、街乗りに特化したモデルと言えるだろう。
国内販売予定の250も共通シャーシとのことだが、車重が増しそうなので、この鋭いハンドリングが薄まってしまう可能性も。そういう意味では、あえて150を選ぶ人がいても不思議ではないだろう。
150はエンデュランスで購入可能
昨年のミラノショーで華々しくデビューしたホンダのネオスポーツカフェ=CB-Rシリーズ。1000を筆頭に、共通シャーシの300と125が公開され、後に250が発表された。このうち300を除いた3機種が5月頃までに国内販売されるとの情報をキャッチしている。
このミラノショー発表組よりも早く、昨年9月に生産国であるタイで発表されたのが、CB150Rである。エンジンは’16年にインドネシアで発表されたCBR150Rと共通の149cc水冷DOHC4バルブ単気筒で、ローラーロッカーアームやモリブデンコートのピストンなどを採用。最高出力&最大トルクは未発表だが、CBR150Rが17.1psを公称していることから、これに近い数値であることが予想される。
フレームはスチールパイプとプレス材を組み合わせたダイアモンドタイプで、同じくプレス成型のスイングアームも含めて300以下の4機種で共通という。また、このクラスとしては珍しい倒立式フロントフォークは、CBR250RRのφ37㎜よりも太いφ41㎜を採用。これとニッシン製ラジアルマウント4 ピストンキャリパーはX-AVD譲りだ。
タイプ設定されるABS仕様はフロントのみにこれを採用。ホイールベースが短いため、作動の正確性を期すために慣性センサーが導入されている。なお、これはいわゆるコーナリングABSではないという。
軽二輪に属するCB150Rはエンデュランスを通じて購入可能。自動車専用道路を走りたい、でも250ccは重いし……。というニッチなニーズに応えてくれるマシンだ。
CB-Rシリーズの先兵、兄弟との差別化を図る
フレームと足は共通、150の色のみ明るめだ
装備解説
カラーバリエーション
主要諸元■全長1973 全幅822 全高1053 軸距1296 シート高795(各mm) 車重123[125]kg(乾)■水冷4スト単気筒DOHC4バルブ149cc 内径×行程 57.3×57.8mm 最高出力未発表 最大トルク未発表 6段リターン 燃料タンク容量8.5ℓ■ブレーキF=ディスク R=ディスク■タイヤF=110/70-17 150/60-17 ※[ ]はABS
取材協力:エンデュランス
撮影:飛澤慎
掲載:ヤングマシン2018年3月号
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Source: WEBヤングマシン