北海道函館市にある商業施設のスペースで、北大生らが1月28日、イタリアの高級車「ランボルギーニ」の雪像をつくりあげた。ツイッターでは、この「雪のランボルギーニ」の画像が拡散されて、話題になっている。中心となったメンバーは「一生忘れられない思い出だ」と話す。(弁護士ドットコムニュース編集部・山下真史)
●商業施設側から制作オファーがあった
「今年はシエスタハコダテ前にランボルギーニ無断駐車してやった」
この投稿は、2000回数以上リツイートされた。画像との組み合わせで、ランボルギーニの雪像を、商業施設の前に「無断設置」したように読みとれる。弁護士ドットコムニュースの記者が「これは…もしかして違法!?」などと調べはじめたところすぐ、実は商業施設側からの依頼で制作されたものだったことがわかった。
中心メンバーの1人、北大水産学部・井口陸弥さん(23歳)さんによると、オファーのきっかけは、2016年12月、北大・函館キャンパス内の駐車場にランボルギーニ・アヴェンタドールの雪像をつくったことだ。「もともと自動車が好きで、ランボルギーニを雪でつくってみたかったんです」(井口さん)。その際、地元紙にもとりあげられて、大きな反響があった。
この冬も、何かの雪像をつくろうと考えていたところ、2017年4月にオープンしたばかりの大型商業施設「シエスタハコダテ」の関係者から12月ごろ、「大通りの活性化のために、人に喜んでもらえるような雪像をつくってみないか」という話があったという。その後、トントン拍子に企画がすすんだ。
●雪が溶けはじめているため「撤去」が検討されている
函館市は例年1月に最低気温を記録する。井口さんたちは、雪が溶けにくくなるタイミングを待って、1月27日から作業をはじめた。商業施設の周辺のビルや家に声をかけて、軒先にあつめられた雪をもらった。「除雪になるので、みんな快くくれました。勝手にもってきたんじゃないですよ(笑)」(井口さん)。運搬には、軽トラックと4トントラックを利用した。
井口さんによると、一番大変だったのは、雪をかためて一つの立方体をつくる作業。そこから、綿密な設計図をもとに、雪専用のノコギリをつかって、往年の名車「ランボルギーニ・カウンタック」を切り出した。井口さんの友人と商業施設側があつめた計14人による作業は約20時間。「完成したとき、疲れきったメンバーみんな、生き生きした表情でした。一生忘れられません」(井口さん)
シエスタハコダテ前は、地元の人だけでなく、五稜郭公園に歩く観光客も多い。道行く人びとは、できあがったランボルギーニを目にすると、スマホを取り出して、写真を撮っていたという。シエスタハコダテの担当者は「みんなにすごく喜ばれていた」とコメントした。
ただ、完成から5日経った2月2日段階で、ランボルギーニの車体が溶けはじめている。北大生たちの力作は「無断駐車」ではなかったわけだが、そろそろ「撤去」(片付け)が検討されているという。法律問題として調べはじめたところ、雪が溶けるほど心あたたまる話だった。
2018年02月03日 08時32分
(弁護士ドットコムニュース)
https://www.bengo4.com/internet/n_7376/
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Source: 新型車情報局