F1 2018年シーズンのドライバーラインアップが決まり、シーズン開幕が近づいてきましたね。
2月には新車発表会、プレシーズンテストもあるし楽しみがいっぱい! と、その前にチェックしておきたいのが1月25日(木)に発売された「F1速報2018年オフシーズン情報号」です。
早速、今号の見所をみていきましょう!
■見せつけろ!トロロッソ・ホンダのスピリッツ
マクラーレンとの提携を解消し、今シーズンから新たにトロロッソとF1を戦うホンダ。巻頭大特集「見せつけろ!トロロッソ・ホンダのスピリッツ」では、ホンダF1の大幅な体制変更、チーム史上初の『ワークス体制』で挑むトロロッソについて書かれているのですが、特に興味深かったのがホンダF1のキーパーソン、株式会社本田技術研究所の浅木泰昭執行役員、そして本田技研工業(株)の山本雅史モータースポーツ部長の独占インタビューでした。
浅木執行役員はホンダF1が頂点を極めた1980〜90年代の第2期にエンジンエンジニアを務め、今年からはホンダF1プロジェクトの開発部門とレース現場、その両方を統括していく技術部門のトップとなり、山本部長はチームとの交渉や契約など、運営上の責任を負うこととなります。
これまでほとんど表に出なかった浅木エンジニアがインタビューに応じたのは、今回が初めてのことなのだそうです。そんな浅木エンジニアがこの3年間、結果が出なかった理由を以下のように述べています。
「私が見る限りは、準備が足りてなかった。準備不足の状況で参戦せざるを得なかったと。なのでライバルに比べるとビハインドを背負って始めたわけですが、でも世の中はマクラーレンも含めて、ホンダだからすぐに追いついてすぐに勝つだろうと見ていた。そのプレッシャーのなかで、期待に応えようという空まわり、焦りがあったのは感じますね」(浅木泰昭執行役員)
山本雅史モータースポーツ部長はトロロッソ・ホンダの強い部分、弱い部分について語っています。
「強い点はまず、ホンダとの相性の良さですね。お互い少数精鋭で、がっちりタッグを組んでやれる相手だと思います。それは初めてファエンツァ(イタリアにあるトロロッソの拠点)に行った時から感じたことで、本当に無駄のない組織だと思いましたね。もちろん大組織のマクラーレンが無駄が多いというわけじゃないんですよ。一方のトロロッソは、チーム代表のフランツ・トストさんと話していて特に感じることですが、実にピュアなコンストラクターなんですね。F1のことしか考えてない。これがマクラーレンだと、もうビジネスですから。F1がビジネスで、レースはビジネスの一環、ケーススタディになってしまっている。それは、少なくともホンダにとって違う部分もあるのかなと。ホンダの原点はレースだし、走る実験室と言われた第一期がそうだったように、全てはレース現場で決断して、そうやって人を鍛え上げてきた。ホンダの原点はそこにあるし、そこに立ち返るのにF1はすごくいい場所ですし、トロロッソはパートナーとして最適かなと思ってますね」(山本雅史モータースポーツ部長)
そしてお二人から、今年の具体的な目標の話もありました。
「まずは順調なスタートを切り、テストで十分な距離を稼ぎ、競争力を示していけるようにしないと。具体的な数値目標は挙げませんが、マクラーレンにはホンダと別れて失敗したなと思わせたいですね。このプロジェクトに関わっているみんなは、こうなってしまった悔しさというか、そういうものを抱えています。そこはなんとか、これからホンダの力を示していければと考えています」(浅木泰昭執行役員)
「一番はとにかく新たなスタートですから、トロロッソ・ホンダというよりホンダとしては、皆さんにいろんな要素で変わったねと言ってもらえたらいいですね。もちろんいい意味で。まだニューマシンも出ていない現時点では、レースのことは何も言えませんが、それが少なくともシーズン序盤の最大の誉め言葉になるでしょうね」(山本雅史モータースポーツ部長)
■F1ゆく人くる人
新しいシーズンが始まるということは、新しくF1にやってくる人もいれば、F1から去ってしまう人もいるということ。こちらのコンテンツではそんなドライバー達のエピソード、そしてこれからのドライバーラインアップ予想について記載されています。
2016年イタリアGPで引退宣言をしたにも関わらず、バルテリ・ボッタスのメルセデス移籍により急遽ウィリアムズに戻ってきたフェリペ・マッサ。2017年ブラジルGP前に2度目の引退宣言をし、多くのファンや関係者に惜しまれながら16年のキャリアに幕を閉じました。
この事実を誰よりも悲しんでいるであろう、元レースエンジニアで親友でもあるロブ・スメドレーが心境を語っています。
「彼は本当に人気があった。それが彼の人柄を表しているといえるだろう。仕事場に彼がいないと寂しいだろうね。でも僕らは親友同士だし、妻同士も、子供同士も親しくしている。彼は僕にとって弟のようなものなんだ。彼は僕の家族の一員だし、僕も彼の家族の一員だ。それは今後も変わらない。何一つ変わらないけれど、それでも仕事場に彼の姿がないと、変な感じがするだろうね。今までは、お茶を飲みながらゆっくりプライベートの話をして、グランプリの緊張を和らげる相手がいたが、そういうことができなくなるのが寂しいよ」
今シーズンからフェラーリの開発ドライバーに就任したダニール・クビアトは、2017年シーズン途中でトロロッソ、そしてレッドブル・ヤングドライバー・プログラムから解雇。「突然なぜ!?」と納得できなかったファンの方もいるのではないでしょうか。本誌ではその理由を探るべく、トロロッソのチーム代表フランツ・トスト、レッドブルのモータースポーツコンサルタントを務めるヘルムート・マルコに直撃しています。
「彼は自分自身に過度なプレッシャーをかけていた。不必要なプレッシャーだ。彼は(決勝スタート直後の)ターン1で他のドライバー全員をオーバーテイクしようとしていた。そういうところが彼の欠点だ。決勝スタート時にアグレッシブにいきすぎて、好結果につながらない。逆に、何度も何度も不必要なクラッシュを起こした」(フランツ・トスト)
「トロロッソでの最初の年にも、レッドブル・レーシングでの最初の年にも速さを見せていた。だがその後、彼のパフォーマンスは劇的に下がってしまった。(チームメイトのダニエル)リカルドがまるで苦労していなかったブレーキとタイヤにてこずっていた。結局のところ、精神的に何か問題が起きたのだ。そうして速さを失い、リラックスして走ることができなくなった。だが本当の理由は、いまだに我々も分からずにいる。解決するためにさまざまなことを試みたが、速さが戻ってこなかった。残念だが、何が起きたのか、具体的には分からない。決勝スタート直後に何度もアクシデントを起こし、それにうまく対処することもできなかった。自分の殻にこもり、誰からのアドバイスも聞こうとしなかった」(ヘルムート・マルコ)
そして本誌は今後のF1について、「主要チームの顔ぶれは21年にはがらりと変わる」と大胆予想。
「ルイス・ハミルトンとセバスチャン・ベッテルがF1から引退するのもそう遠い将来ではなさそうだ。ふたりは07年にデビューし、20年までの契約を結んでいるか、あるいは結ぶ見込みだ。どちらもミハエル・シューマッハーが打ち立てたF1タイトル7度獲得の記録に並んだり、越えたりすることにさほど興味を示してないし、近い将来、F1以外のことをしたいとも発言している」
さらに続けます。
「メルセデスは次なるスターとして、エステバン・オコンとジョージ・ラッセルをリストアップしている。フェラーリに関しては、今のところはシャルル・ルクレールがシート争いをリードしているが、この先、他の誰かがチャンスをつかも可能性も十分にある。もちろん21年以降のリードドライバーとして、メルセデスもフェラーリもマックス・フェルスタッペンを確保すべく激しく争うことになるだろう」
また、実力はもちろん、メーカー、チームの強固なバックアップが伴う5人の若手ドライバーの今後についても書かれており、これからどのドライバーが新たなF1を築いていくのかなと想像しながら読むと更に面白くなりますよ!
この他にも「フェルナンド・アロンソのデイトナ24時間特集」、「F1ジャーナリスト尾張正博の2018年F1プレ通信簿」と読み応えのある「F1速報2018年オフシーズン情報号」は書店、もしくは三栄書房オンラインストアで好評発売中です。
(yuri)
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Source: clicccar.comクリッカー