ドイツのボッシュに次いで世界2位のメガサプライヤーであるコンチネンタルは、年々、電動化や自動運転技術を推進するオートモーティブ部門(自動車部門)の存在感が高まっています。
しかし、タイヤからスタートしたコンチネンタルでは、現在もタイヤ部門に約25%の人員を抱え、売上高もほぼ同じ割合の26%を占めているそう。
6月14日、コンチネンタルのタイヤ部門・プレジデントであるニコライ・ゼッツァー(Nikolai Setzer)氏の来日に伴い、プレス向けにコンチネンタルタイヤの「グローバル戦略&ビジョン2025」の説明会が開催されました。
ニコライ・ゼッツァー氏は、コンチネンタルに入社してから約21年、タイヤ部門は約10年になるとのこと。約10年前にスタートした「グローバル戦略&ビジョン2025」では、世界でトップ3のタイヤメーカーの1つになることが掲げられています。
なお、現在のトップはブリヂストン、2位がミシュラン、3位がグッドイヤー、そして4位がコンチネンタルタイヤ。5位がピレリ、6位がダンロップ(住友ゴム)と続いています。
ニコライ・ゼッツァー氏は、大切なのは数字だけでなく、品質とのバランスと説明していますが、ヨーロッパで高いシェア(長年シェア1位)を確保する一方で、日本を含むアジア太平洋地域などでは大きな伸び代があると分析。
トップ3入りを目指すべく、全世界で生産拠点を増やしていて、2011年(15カ国17工場)から2015年までに3工場を新たに稼動。さらに既存工場の拡大、2019年にはタイのラヨーン県に新工場を設立するなど、投資を強化しています。
また、日本のマーケットに関しては、「快適性」、「NVH性能」、「スムーズな走り」がとくに求められるとして、日本を含めたアジア太平洋地域向けの「MaxContact MC6」など、市場に合うタイヤを強化。さらに、日本の自動車メーカーを含めたOEタイヤにも注力することで、日本での存在感を高めたい考え。
ミシュラン、グッドイヤーと比べると日本への参入が遅かったことを認めつつも、オートモーティブ部門とタイヤ部門を持つというコンチネンタルの強み、高い技術力を活かして日本を含むアジア太平洋地域でのシェア拡大を図るとしています。
また、オートモーティブ部門とタイヤ部門の連携では、ContiSense(コンチセンス)とContiAdapt(コンチアダプト)がその象徴。タイヤをセンサーで常に監視するだけでなく、路面や走行状況に応じてリム幅を変えることでタイヤの空気圧を調整するなど、高い性能と安全性を実現できる技術としてコンチセンスは、5年先くらい、コンチアダプトは5年から10年先くらいまでの間に実現したいとしています。
(塚田勝弘)
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Source: clicccar.comクリッカー