SUBARUの最新車台となる「SGP(スバル・グローバル・プラットフォーム)」と、同社の伝統的なテクノロジーである「シンメトリカルAWD」による走りは、スノードライブだからこそアドバンテージがあるはずです。そうした点をアピールする試乗会が青森から秋田にかけたエリアを舞台に開催されました。
現在、SGPを採用しているのはインプレッサスポーツ(5ドア)、インプレッサG4(セダン)とSUBARU XVの3モデル。いずれも基本的なフィーリングは変わらないという印象ですが、その中でもセダンは全体に引き締まった印象があります。
一般論として、ボディがしっかりしているほうが、タイヤがグリップを失う、限界域の挙動がつかみやすい傾向にあります。せっかくの機会ですから、そうした動きを感じようとセダンのインプレッサG4を試乗車に選びました。しかし、ある程度は予想していたものの、クルマが不安な動きを見せることはありません。むしろ安心してペースアップしそうになるので、それをいかに自制するかを考えるほど。写真からもわかるように、雪がこんこんと降っていて、視界が確保されているとはいえないコンディションでしたから。
そうした中で、スバルの0次安全思想を実感したのは、試乗した2.0i-S EyeSightグレードに標準装備されている「クリアビューパック」のメリットです。ワイパーの凍結を熱線で溶かす「フロントワイパーデアイサー」や後方視界を確保する「ヒーテッドドアミラー」、そしてセダンであってもリヤワイパーを標準装備しているのは、視界確保を安全の基本とするスバルの哲学を感じます。
また、2.0i-S EyeSightグレードには、横滑り防止装置である「VDC(ビークル・ダイナミクス・コントロール)」を利用したドライビングアシスト制御「アクティブトルクベクタリング」が標準装備されていますが、この仕上がりもドライバーファーストで、過剰な介入を感じさせません。たとえば、スリッピーな路面でアクセルを踏み込むと、横滑り防止装置が働き「打てど響かず」といった反応を見せるクルマもありますが、SUBARUの新プラットフォームを用いているモデルに関しては、そうした違和感はほとんど覚えません。
安全に移動できることのプライオリティが高いのがSUBARUの特徴。その象徴といえるのがステレオカメラによる予防安全機構「EyeSight(アイサイト)」とです。
ただし、カメラを使うためロバスト性においては若干不利なシステムともいえます。今回も、雪で真っ白な状況で、アイサイトがキャンセルされるという表示が出たこともありました。とはいえ、ステレオカメラにこだわり長年作り込んできたノウハウは、レヴォーグなどに採用されている「アイサイト・ツーリングアシスト」のような追従クルーズコントロールにおける利便性向上などにつながっていることは間違いありません。
今回の雪上走行で感じたのは、ステレオカメラにこだわってきたアドバンテージを活かしつつ、ミリ波レーダーを追加するなどして、より外乱に強いシステムへの進化を望みたいと感じたのでした。
そうした進化の可能性について伺ったところ「ステレオカメラがSUBARUの基盤テクノロジーであることは不変です」という回答をいただきました。センサーを一新して、ステレオカメラを利用することで実現している様々な予防安全・運転支援システムのアドバンテージを捨てるメリットはないということです。
だからといってミリ波レーダーなどを追加することを否定するものでもありません。雪道で実感できる全天候型パフォーマンスを、予防安全の面でも味わえるような進化を期待しましょう。
■インプレッサG4 2.0i-S EyeSight 主要スペック
車両型式:DBA-GK7
全長:4625mm
全幅:1775mm
全高:1455mm
ホイールベース:2670mm
車両重量:1400kg
乗車定員:5名
エンジン型式:FB20
エンジン形式:水平対向4気筒DOHC 直噴
総排気量:1995cc
最高出力:113kW(154PS)/6000rpm
最大トルク:196Nm(20.0kg-m)/4000rpm
変速装置:CVT
燃料消費率:15.8km/L (JC08モード)
タイヤサイズ:225/40R18
メーカー希望小売価格(税込):2,613,600円
(写真:SUBARU 文:山本晋也)
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Source: clicccar.comクリッカー