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「見た目はカジュアル、中身はガチ」。スバルXVで八甲田に向かってわかったこと

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スバルが現行インプレッサに合わせて、車体設計をゼロから見直して生み出したのが「SGP(SUBARU GLOBAL PLATFORM)」。その最新プラットフォームの走りを、スバルのコアテクノロジーであるシンメトリカルAWDが本領発揮する雪道で味わう機会がありました。

まず、ステアリングを握ったのはSUBARU SUVファミリーの末弟のSUBARU XVです。ルーフレール・レス仕様であれば全高1550mmと立体駐車場に対応するサイズながら、最低地上高は200mmを確保したコンパクトなクロスオーバーは、雪道でどのような走りを見せてくれるのでしょうか。

ステージは青森市内から十和田湖を目指すルート、途中に八甲田山もあり、一部の道路は閉鎖されているほどハードなエリアです。まずは目的地として酢ケ湯温泉をナビにセット、どんどんと山道を上っていきます。

山に向かうにつれ、外気温の表示はマイナス3度からマイナス7度まで下がっていきます。マイナス3度程度では新雪が乗っている滑りやすい路面、マイナス7度では逆に路面が締まった圧雪路といった風に環境は変わっていきましたが、XVのドライビングはインフォメーションの豊富さと安心感の両立が印象的だったのです。

そうした好フィーリングには、雪道を走るためにチョイスされたブリヂストンの最新スタッドレスタイヤ「ブリザックVRX2」が一役も二役も買っていたことは間違いありません。いかにスバルの四輪駆動といっても、しっかりと雪道でグリップするタイヤがあってこそ活きてくるというものです。

現在のSUBARU車において多数派となっている「アクティブトルクスプリットAWD」が、XVに採用されているAWDシステムです。これは前後駆動トルク配分60:40を基本として可変させるというもので、軸重に合わせた最適化するという考え方です。ここでポイントとなるのは駆動トルクは可変であるという点。基本がフロント寄りと聞くと、安定志向と思いがちですが、そうではないのです。

圧雪路で、積極的にアクセルを踏んでいくと後輪を滑らせて向きを変える(オーバーステア領域)を活用できることが確認できました。しかも、これは電子制御を切っていない状態の話なので、アグレッシブな走りを意図的に受け止めるセッティングになっているというわけです。

こうしたドライバーファーストの味付けとなっているのはSUBARUの特徴といえるのではないでしょうか。

そもそも、SGPはドライの後輪メカニカルグリップが高い印象がありますから、アクセル操作によるオーバーステア的な味付けが意図的なのは明らかです。パーキングブレーキがEPB(電動タイプ)となってリヤのスライドを意図的に作り上げることは難しくなった現行XVですが、こうして意図的にヨーを強めるコントロール性を持っているのです。

こうしたコントロール性への強い意識が、雪中試乗で確認できたのは大きな収穫でした。そして、すぐれたコントロール性はクルマに対する信頼感を生んでくれます。完全に電子制御で安定させるよりも、安心して走ることができるのです。

最新のシャシー設計と、最新スタッドレスタイヤのコンビネーションは雪道でもグリップの不安がなく、シーンによってはまるで舗装路のように旋回するのですが、アイスバーンではそうはいきません。やはり滑ります。

そうした路面で、ABSは確実に作動。ペダルからのフィードバックは大きくはありませんが、フィードバックもわかりやすく、踏力によって制動距離をコントロールしやすいと感じました。なんでもAWDについてはロックしたタイヤを駆動力で回ることによって車両速度とタイヤ回転をシンクロさせ、ABSの効きをよくするといった制御も入っているといいます。

ブレーキングでは四駆のメリットはあまりない(エンジンブレーキは有利だけれど、車重が増すというネガもある)という見方もありますが、四輪の駆動力をABSの適正な作動をアシストするために活用しているというのがSUBARUのテクノロジー。今回、雪道で感じた制動コントロール性の良さには、そうしたSUBARUの作り込みの一端が貢献しているのです。

試乗車の「クールグレー・カーキ」をはじめとしたユニークなボディカラーやアクティブな意匠のオリジナルホイールなどからアーバンSUVのイメージが強いSUBARU XVですが、その中身は走破性やコントロール性など本気のSUVとして作り込まれているのです。

■SUBARU XV 2.0i-S EyeSight(ルーフレール装着車) 主要スペック
車両型式:DBA-GT7
全長:4465mm
全幅:1800mm
全高:1595mm
ホイールベース:2670mm
車両重量:1440kg
乗車定員:5名
エンジン型式:FB20
エンジン形式:水平対向4気筒DOHC 直噴
総排気量:1995cc
最高出力:113kW(154PS)/6000rpm
最大トルク:196Nm(20.0kg-m)/4000rpm
変速装置:CVT
燃料消費率:16.0km/L (JC08モード)
タイヤサイズ:225/55R18
メーカー希望小売価格(税込):2,678,400円(ルーフレールとシャークフィンアンテナは別途オプション)

(写真:SUBARU/門真 俊 文:山本晋也)






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Source: clicccar.comクリッカー

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