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ノーマルタービンのブーストアップ仕様で実測312psをマーク!
認証工場だからこその高いスキルと信頼性
チューニングといえばどちらかというとアンダーグラウンドなイメージが強く、いわゆる違法改造と勘違いされることも多くある。そんなネガティブなイメージを払拭し、完全合法チューニングマシンを提供するのが静岡県のOKレーシング。というのも認証工場として営業するため、ストリートカーの違法改造は行わないのが信条。そのためストリートでも安心して乗ることができ、かつサーキットでもタイムを出せるクルマ作りを得意としているのだ。
そんなOKレーシングが手がけるユーザー車のサンプルがこのS15シルビア。サーキット走行よりも普段の街乗りを快適かつ安全に楽しみたいというオーダーを受け、オススメメニューで組み立てられたマシンだ。しかもボディのコンディションを優先し、ベース車はNA&ATをチョイス。そこにターボエンジンと純正6速を組み合せて公認を取得している。
エンジン本体はカムを交換した程度で、タービンなどはノーマルを利用。にもかかわらずノーマルタービンでは限界と言われる312psの出力をマークしている。エンジン出力のアップに合わせて、フロント/リヤともにBNR34のブレンボをセットしたブレーキの強化も見どころのひとつ。特にリヤはインドラム化に変更となるため、キッチリと構造変更まで完了。こういったアップデイトもすべて公認を取得してくれるため、長く安心して付き合うことができるマシンメイク術はオーナー的にも安心できるポイントだろう。
また、ストリートカーだけでなくサーキットマシンにも定評があるのもOKレーシングの魅力。NOB谷口選手と二人三脚で作り上げたデモカーは、フル合法ながらもYZ東で29秒725、モーターランド三河で44秒629のタイムを叩き出している。現在はさらなるタイムアップを目指しワイドボディ化を進めている真っ最中だ。
取材協力:OKレーシング
吸排気とカムの変更、インジェクター容量のアップなどは行っているものの、タービン自体はノーマルを使用する。パワーFCによるセッティングによって最大ブースト1.2キロで312ps。街乗り用に合わせて耐久性を備えた仕様で作られているのだ。
エアフロはR35用を組み合わせることで緻密なセッティングを行う。機能性だけでなく見た目も考慮して、エアフロセンサーは見えない裏側に取り付けているのもこだわり。
ストリートマシンらしくインテリアはシンプルかつ実用的に構成される。Atベースながらもニスモメーターをセットすることで、シフトインジケーターが除去されている。
サスペンションはHKSマックスⅣをベースに、フロントアッパーをピロ化。スプリングレートも街乗りでの乗り心地と快適性を重視して、フロント8kg/㎜、リヤ4kg/㎜を組み合わせている。
エンジンスペックを強化したことにより、安全に走らせるためにはブレーキの強化も必須。フロント/リヤともにBNR34のN1ブレンボを流用しながら、リヤサイドブレーキをインドラム化して公認取得を行っている。
ホイールは以前デモカーのS15に装着していたものを使用するため、フロントフェンダーも若干のワイド化が図られている。もちろん車高のバランスやタイヤの収まり具合もすべて合法セッティングが施されている。
OK Racing’s DEMO CAR
295幅を飲み込むワイドキットへ換装! NOB谷口選手と更なるレコードを狙う1台!
こちらが谷口選手をドライバーにYZサーキット東コースのコースレコード、モーターランド三河でのFRカテゴリレコードを持つOKレーシングでデモカーのS15シルビア。今シーズンはさらなるレコード更新のために、リヤタイヤを265から295幅へサイズアップ。ワイドタイヤ装着に伴い外装がヴェルテックス・エッジへ変更され、より戦闘力の際立つルックスに仕上がっている。
谷口選手セッティングのHKS車高調の足まわりと、東名2.2L仕様をベースにナプレックハイレスポンスキットでヘッドチューンを施したパッケージングだけどレース専用ではなく、公認車検も取得されたナンバー付き車両で内装やエアコンといった快適装備を残してあるのもひとつのテーマ。「このままオレのクルマとして買って乗りたい!」と谷口選手が話すほどの完成度の高さなのだ。
腰下は東名パワードの2.2Lキット。ヘッドはナプレックハイレスポンスキットでのビッグバルブ化と、東名260°ポンカムソリッドタイプ(IN/EX)。タービンはTD-06-20G。カム、タービンともに2.2Lの許容量でさらなるハイパワー化も可能だが、あえて太くなった中間域をさらに活かすミニサーキット向きのピックアップ重視のセッティングだ。
本番でのブースト圧は1.7キロにセットし、ピークパワーは471ps、トルクは62.9kg/m。ちなみに赤がデモカーで、緑はS15シルビア・スペックR純正のデータ。フルタービンなのに、街乗りで使われる3000回転以下の落ち込みはなく、まったくおなじパワーカーブなのがすごい。
ナプレックでのヘッド加工後も、組み付けの際は燃焼室容量をチェックし再加工を施すほか、各エンジンパーツのバランス取りも念入りに実施する。タービンの性能を限界まで使うセッティングには必須の行程だ。
コックピットの雰囲気をもりたてる助手席エアバッグ収納部を再利用したデフィ4連メーター。エアコンが撤去されずにそのままなところにも注目だ。
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Source: clicccar.comクリッカー