11月11日ツインリンクもてぎで開催されたSUPER GT 2018シーズンの最終戦「2018 AUTOBACS SUPER GT Round8 MOTEGI GT 250km RACE GRAND FINAL」。最終戦ということチャンピオンの行方が大いに気になる大一番。自力優勝でチャンピオンが決まる可能性が4台という緊迫の1戦となります。
ここでポールポジションを獲得したのがマネパ ランボルギーニ GT3。コースレコードな上にただ一台1分45秒台に入るという速さを見せ付けてのポールポジションは凄まじいのひと言。
そこから遅れること0.097秒という僅差で予選2番手となったのがLEON CVSTOS AMG。2番手といえどもコースレコードを更新しています。
そして予選3番手がグッドスマイル 初音ミク AMG。予選上位3台でチャンピオンを狙えるのはLEON CVSTOS AMGとこの初音ミクの2台となります。
ランキングトップだったARTA BMW M6 GT3は予選10位、JAF GT勢で唯一チャンピオンを狙える31号車 TOYOTA PRIUS apr GTは予選8位。この2台も作戦次第では上位に食い込むことは充分に可能で、特にARTAは表彰台に乗ればチャンピオンは確定します。
そんな緊迫した状況の中、午後1時30分に白バイやパトカーとともに走るパレードラン、フォーメーションラップに続いてレースの幕が開きます。周回数はたったの?53周。距離にして250km。ハイペースなレース展開が期待される上に、タイヤ無交換作戦なども飛び出しそうな予感。
まずスタートで勝負を仕掛けたのは初音ミク。第1コーナーの進入でLEONを抜きにかかります。そのLEON、初音ミクに抜かれるだけではなく第3コーナーまでに4番手だったSUBARU BRZ R&D SPORTにも抜かれてしまうのです。その後もレースが進むにつれGAINER TANAX GT-Rにも抜かれ5番手まで落ち込んでしまいます。
しばらくは安定したペースでレースが進んでいるかのように見えた19周ごろ、トップを走っていたマネパ ランボルギーニ GT3が突然のパンクで勝負権を失います。その19周目にLEONがピットイン。
LEONはこのタイヤ無交換作戦のためにレース前半のペースを調整していたのです。
その翌周にピットインした初音ミクは左2本交換。続いて31周目に暫定トップでピットインした31号車 TOYOTA PRIUS apr GTはタイヤ無交換。ここでハッキリしたのはブリヂストンタイヤ勢は固めのタイヤで無交換作戦、ヨコハマタイヤ勢は柔らかめのタイヤで交換前提にペースを組み立てていたということ。
タイヤ無交換でピットアウトした31号車 TOYOTA PRIUS apr GTですが微妙にトップを守りきることが出来ず、コース復帰時に後から来たLEONにわずかの差で先行を許してしまいます。
ここで猛烈に差を詰めてきたのがグッドスマイル 初音ミク AMG。左だけとはいえニュータイヤの恩恵は大きく、見る見るうちに31号車 TOYOTA PRIUS apr GTへと迫ってきます。
そんな2台を尻目にドンドンと前を行くLEON。40周目には10秒ほどの差をつけて優勝安泰かと思いきやラスト5周くらいから急にペースが落ち始めます。タイヤが終わってしまったようです。
31号車 TOYOTA PRIUS apr GTはグッドスマイル 初音ミク AMGとバトルを繰り返しながらもLEONとの差を詰め、チェッカー直前には2秒409というところまで近づきましたがここで時間切れ。チェッカーは65号車 LEON CVSTOS AMGの頭上に羽ばたいたのです。
この優勝は大きく、ポイント差が12ポイントもあったARTA BMW M6 GT3が9位に沈んだこともあって優勝ポイント20ポイント加算の68ポイントでシリーズチャンピオンを獲得したのです。
上位3台の激しいチャンピオン争いを目の当たりにした最終戦もてぎ。この興奮は来シーズンの開幕まで浸る余韻としては最高のものだったのでは無いでしょうか。
そして気になる来シーズンの体制、来るであろうニューマシンや進化版など開幕戦までの間も全く目が離せないSUPER GTシリーズ。気になる情報はclicccarでも随時お知らせさせていただきます。
(写真:吉見幸夫 文:松永和浩)
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Source: clicccar.comクリッカー