キャリパーにホイールを合わせなくてもいい時代がやってきた!
86&BRZサイズを目標に!
ブレーキパーツを専門にレース用から街乗りまで幅広いユーザーを擁するプロジェクト・ミュー。コーポレートカラーのエメラルドグリーンはあまりにも有名で、86/BRZレース初年度の2013シリーズではワークス体制のチームでシリーズ優勝を果たしたメーカーでもある。
そのプロジェクト・ミューが打ち出した、社外ブレーキパーツの新定番となりうるキャリパーがFORGED STREET CALIPER 4pistons x 2Pads、通称“FS4M”だ。
この製品の最大の特徴はなんといっても、86/BRZ純正サイズの17インチホイールへ装着可能という比較的小型なキャリパーサイズということ。社外キャリパーといえば18インチ以上の大径ホイールの装着を前提とした大型が普通。なかには、キャリパー購入後にホイールが干渉するのが分かり、泣く泣くホイールを買い替えた経験があるユーザーもいるはずだ。
「強度やパッドの大きさ、レイアウトの都合でキャリパーの設計は大きくするのが一番楽な方法なんです。昔は『大きいキャリパーを作ったから、ユーザーのみなさんは合うホイールを履いてください』というやり方でしたが、それではユーザー側の負担が大きすぎるだろうと。このキャリパーは86/BRZの純正ホイールを履けるサイズを目標に作りました」と語るのはプロジェクト・ミュー広報の森さん。スポーク形状の都合からスペーサーレスとまではいかなかったが、前期純正ホイールで15mmのワイドトレッドスペーサー、後期は20mmですっぽりとホイールの中に収まる設計となった。
また、セットとなるローターを1ピースにすることで、キャリパーキットとしては手に入りやすい価格へ抑えているところもポイント。いままでは必要だった大径ホイールの予算も合わせて節約でき、余った予算をほかのパーツへまわせる賢い選択が可能になったのだ。
製品仕様
FORGED STREET CALIPER 4pistons x 2Pads “FS4M”
価格:26万8000円(フロント用)
構成:キャリパー本体/キャリパーブラケット/ブレーキパッド/ブレーキローター/テフロンブレーキライン/ボルト類一式
GT以上のグレードで採用されるローター径294mmから315mmへ大径化することでパフォーマンスアップ。ローター形状に1ピースを採用することで手に入れやすく、ローター単品は3万円と交換によるランニングコストも抑えられる。
キャリパーキットにはテフロンメッシュの上をシリコンチューブで保護する同社のブレーキラインも付属する。純正のゴムホースで起こる加圧時の膨張がなくなり、ブレーキタッチが劇的に改善する部分だ。
対向4ピストンによって、パッドへかかる力を全体へ均等に分散して与える。標準で付属するパッドは同社のNS-C。このほか、好みによってTYPE PS、D1 spec Fという異なる性格のパッドを選ぶことも可能。
純正ホイールは前期、後期ともに17インチ7Jオフセット+48と共通。ただし、スポークの形状が異なるためクリアランスを確保できるワイドトレッドスペーサーの量は前期=15mm、後期=20mmとなる。また、別の撮影車両の履くBBS RF054はサイズ、オフセットが純正と同サイズながらスペーサーがなくても無干渉といったように、スポークの形状によってクリアランスは大きく変化する。
後期純正ホイールと20mmワイドトレッドスペーサーを合わせた場合のクリアランスはこの通り。キャリパー形状にはスポークやリムとの干渉だけではなく、ローターの厚さやパッド形状までが有機的に影響するため、開発はかなりの試行錯誤があったようだ。
フロントの強化に合わせてリヤにオススメなキャリパーキットが対向2ピストンのFORGED SPORTS CALIPER 2Pistons REAR、通称“FS2A”(23万9000円)。こちらも後期純正ホイールに5mmスペーサーで干渉せずに装着可能だ。
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Source: clicccar.comクリッカー