2017年12月29日14時49分
【ニューヨーク時事】世界的な環境規制強化の流れの中、自動車業界の電動車シフトに、米国勢も本腰を入れ始めた。狙いを定めるのは最大市場の中国。需要の急増が見込まれる中国でシェアを確保し、導入期にある電動車の収益化を急ぐ。
ゼネラル・モーターズ(GM)は10月、2023年までに計20車種の電気自動車(EV)と燃料電池車(FCV)を投入すると発表。「完全な電動化の未来」を目指すとし、「脱エンジン車」を示唆した。フォード・モーターも今後5年でエンジン車向けの投資を3割削減し、バッテリー開発など電動車に振り向ける。
各社とも電動車を今後の成長の核と位置付ける中、カギとなるのが中国だ。大気汚染が深刻な中国では、政府がEVとFCV、プラグインハイブリッド車(PHV)を「新エネルギー車」と定めて普及を促進。16年の販売台数は前年比53%増の51万台と世界最高で、2位の米国(16万台)を大きく引き離した。
中国政府は新エネ車の比率を25年に20%まで高める目標を掲げ、将来的にエンジン車の販売を禁止することも検討中。各社は「世界の電動車市場の成長エンジン」(フォードのビル・フォード会長)としてさらなる需要拡大が期待される中国で、生産コストがかさむ電動車を大量販売し、目下の課題である採算割れを克服する道筋を描く。
ラインアップの拡充に加え、フォードはEV工場を、GMはバッテリー工場をそれぞれ現地メーカーとの合弁で新設。中国勢や他の海外勢との競争激化も予想される中、供給体制を強化し、中国の新エネ車市場で足場を固めたい考えだ。
続きを読む
Source: 新型車情報局