2018年F1第14戦イタリアGPが、アウトドローモ・ナツィオナーレ・ディ・モンツァ(5.793km、周回数53周)で開催されました。
決勝前日に行われた予選では、サーキットに集まったティフォシ(熱狂的なフェラーリファン)の目の前でキミ・ライコネン(フェラーリ)が2017年モナコGP以来のポールポジションを獲得!
現役F1ドライバー最年長が見せた渾身の走りは、感動的でしたよね。ライコネンの5年振りの優勝を見ることができるかもしれない(しかもフェラーリの聖地で!)、そんな期待を持たずにはいられない予選となりました。
さぁ、いよいよ決勝日。ライコネンは好スタートを決め、タイヤスモークを上げながら首位をキープします。
隊列の後方では、行き場を失ったブレンドン・ハートレー(トロロッソ)が両側を挟まれて右フロントサスペンションを壊しストップ。リタイアとなってしまいました。
さらにオープニングラップのロッジアで、3番手スタートのルイス・ハミルトン(メルセデス)が前を走るセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)のアウト側から被せて前に出ますが、接触。ベッテルはフロントウイングを壊してスピンし、最後尾まで順位を落とすという衝撃のスタートとなりました。
これによりセーフティカーが導入。その間にベッテルはピットインし、壊れたパーツとタイヤを交換します。
4周目にレースが再開すると、メインストレートでハミルトンがライコネンをオーバーテイク。
しかし、やられたらやり返すのがライコネン。なんとロッジアでハミルトンに仕掛け抜き返し、首位を奪い取ったのです! これにはティフォシも大興奮!! もう、キミ様かっこよすぎるーーー(涙)。
ライコネンとハミルトンがファステストラップを叩き出しながらレースが進んでいく中、9周目にフェルナンド・アロンソ(マクラーレン)が「同じ問題が起きた」とチームに訴え、ガレージへ。リタイアとなってしまいました。
15周目には最後尾から10番手まで浮上したベッテルですが「まだダメージが残っている」と、上手くマシンを操れないようです。
21周目、ライコネンが上位勢で最初に動きソフトタイヤに交換。メルセデスも準備しますが、まだ入りません。この間にハミルトンは猛プッシュ!
するとライコネンに「ルイス(ハミルトン)がステイアウトしているから、プッシュしろ」と指示が入ります。ほぼ同タイムを刻む2人。ハミルトンがタイヤ交換を終えた後、どちらが前に出るのか……。目に見えない戦いに、思わず正座をして手を握りしめていました。
25周目、ダニエル・リカルド(レッドブル)のマシンから白煙が上がり、ロッジアの先でマシンを止めます。来シーズンのルノー移籍を発表してから2戦連続リタイアと、歯車が噛み合いません。
その翌周、チームメイトのマックス・フェルスタッペンがピットイン。ソフトタイヤに交換しました。
28周目、ようやくハミルトンがピットイン。ライコネンはポジションを守るも、上位勢で未だにタイヤ交換をしていないバルテリ・ボッタス(メルセデス)が行く手を阻みます。
ボッタスの見事なチームプレーが功を奏し、ハミルトンがファステストラップを刻みながらライコネンの1秒以内に迫ってきました!
36周目、ボッタスがソフトタイヤに交換し4番手でコースに復帰すると、ライコネンは猛プッシュ!
首位ライコネン対2番手ハミルトンの一騎打ちが始まりましたが、ハミルトンより7周早く交換し、なおかつボッタスに抑えられながら走ってきたライコネンのタイヤは限界に……。
そしてついに45周目のメインストレートでDRSを使って並びかけたハミルトンに、第1シケインでアウトから抜かれてしまいました。この瞬間、サーキットが静まり返ったのは言うまでもありません。
首位に浮上したハミルトンは、ライコネンと約9秒の差をつけ見事ゴール! 今季6度目の優勝となりました。
2位ライコネン、3位フェルスタッペンという順番でチェッカーを受けたものの、フェルスタッペンは43周目にボッタスに幅寄せしたペナルティにより5秒加算に。この結果、3位ボッタス、4位ベッテル、5位フェルスタッペンと順位が入れ替わりました。
フェラーリのワンツーフィニッシュを期待できる予選結果だっただけに、さぞやティフォシ達も落ち込んでいるのだろうなと思いきや、表彰式が始まるとポディウムの下にたくさんのフェラーリ国旗が!
メルセデスへのブーイングも凄かったですが(汗)、ティフォシの盛り上がりにライコネンも救われたのではないでしょうか。
そしてスペシャルゲスト、元フェラーリドライバーのフェリペ・マッサが登場すると、ティフォシのボルテージはMAX! マッサは「フェラーリのドライバーとしてこの景色を見るのは素晴らしいよね。おめでとう、フェラーリ!」と祝福のメッセージを送りました。
「スピードはあったけど、タイヤが最後までもたなかった。難しいレースだったけど、皆本当にありがとう」と感謝の気持ちを述べたライコネン。ポディウムまで伸びてくるフラッグにサインをしたり、最後まで手を振ったりと、普段クールなライコネンさえも変えちゃうティフォシの熱意はやっぱりすごい!と改めて感じた、イタリアGPでした。
イタリアGPリザルトは以下の通りです(ポイント圏内のみ)。
順位/No./ドライバー/チーム
1/#44/ルイス・ハミルトン/メルセデス
2/#7/キミ・ライコネン/フェラーリ
3/#77/バルテリ・ボッタス/メルセデス
4/#5/セバスチャン・ベッテル/フェラーリ
5/#33/マックス・フェルスタッペン/レッドブル
6/#31/エステバン・オコン/フォース・インディア
7/#11/セルジオ・ペレス/フォース・インディア
8/#55/カルロス・サインツJr/ルノー
9/#18/ランス・ストロール/ウイリアムズ
10/#35/セルゲイ・シロトキン/ウイリアムズ
(yuri)
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Source: clicccar.comクリッカー