11月下旬にスペイン・へレスでモトGPとスーパーバイク(SBK)チームが合同テストを実施。共に1000ccクラスではあるが、モトGPとスーパーバイクにはその性能に大きな開きがある……と思いきや、今年もSBK絶対王者であるジョナサン・レイ選手(カワサキ)が、GPマシンに割って入る活躍。そこで、マシンのZX-10RRについてインタビューしてみた。
モトGPより速いのは本来あり得ないこと
YM──モトGPとの合同テストで最終日はトップでしたが、ZX-10RRとモトGPマシンとの差は接近しているのでしょうか?
ジョナサン・レイ選手──スーパーバイクは量産車ベースのマシンで、車両レギュレーションが非常に厳しくコントロールされています。一方でモトGPマシンはプロトタイプ。全く違うマシンなので、量産車をベースとしたマシンがモトGPのマシンと比べて、マシンとして速いというのは基本的にはあり得ないことです。我々のワールドスーパーバイクに使っているマシンは非常に量産に近いものなので、これだけのリザルトを記録したということはすごく嬉しいです。そこに自信を持っています。
ZX-10RRの強みは悪いところがないこと
YM──10RRの速さの要因を教えて下さい。
ジョナサン・レイ選手──その回答はすごく長くする答えることもできるしすごく短く答えることもできるのだけど、基本的にZX-10RRはベースマシンとして良くきています。大きなポイントは悪いところがないこと、ディスアドバンテージがないというのが一番でしょう。気温が高くても低くても、どんなサーキットでもどんな条件であっても、バイクのキャパシティが大きいので常に強い状態でいられます。そこが、ZX-10RRの強みでしょう。
YM──今後、ZX-10RRはどう進化していって欲しいですか?
ジョナサン・レイ選手──エンジンで言うと、ライダーもメカニックもレースをするのに必ずもっとパワー、もっとパワーと思うものだけど、そのパワーというのは使えるパワーじゃないといけませんね。電制の部分についても日々進化していますが、電制もパワー同じように使えるものでないといけまんせんね。そういう方向の進化を期待しています。車体ではSHOWAがすごくいい仕事をしてくれていて、これも日々進化しています。何かひとつをとって進化してくということではなく、トータルパッケージとして進化してくことが望んでいる方向性です。
取材協力:川崎重工業、カワサキモータースジャパン
Source: WEBヤングマシン