2018年8月22日(水)にFIA世界ラリー選手権(WRC)日本ラウンド招致活動報告会が行われ、日本ラウンド開催を目指して活動している委員会がJAF(日本自動車連盟)を通じて、FIA(国際自動車連盟)に対して2019年WRC日本開催のカレンダー申請を行ったことが発表されました!
国内プロモーターとなる株式会社サンズは、WRCプロモーターGmbH(ドイツ・ミュンヘン)とWRC日本ラウンドの興行に関する契約「Event Promotion Agreement」を締結。契約期間は4年間で、FIAによりWRC日本ラウンドが来季カレンダーに加わることが決まった場合には、2019年から2022年まで国内でのWRC開催を行うことになるそうです。
2019年に愛知、岐阜の両県を舞台に「Rally Japan」として開催を目指すため、今年の1月に発足された招致準備委員会。報告会ではローカル プロモーター 株式会社サンズ代表取締役 坂井正治氏、ラリー・ジャパン運営事務局長 高橋浩司氏が登壇し、WRC日本ラウンド開催に対する想いを語りました。
「私たちは2019年、日本でのWRC開催という夢に向け様々な活動を行ってきました。その活動を通じて今、頭に思い浮かぶことがあります。それは『これからのラリーのあり方』です。ラリーは公道を使う競技ですから、地域の皆さんのご協力なくしては成立しません。地域とモータースポーツの共生。堅苦しい言葉ではありますが、こういったことを考えることが、ラリーを継続するために必要だと思います。参加者はもちろん、周辺住民の方々もみんなが一緒に楽しめる、それはまるでお祭りのような日本らしいラリーを愛知、岐阜という日本のど真ん中でやる、そんな事を思い描いておりますので引き続き応援よろしくお願いいたします」(坂井正治氏)
「開催の候補日として、9/12〜15、11/7〜10、11/14〜17の3日程をFIAに申請しました。イベント名称は以前北海道で開催されておりました『Rally Japan』を引き継ぐべく、同じ名称で申請しました。競技の基地となりますサービスパークは、愛知県の長久手市にあります愛・地球博記念公園、通称モリコロパークを使用することで現在愛知県と話しを進めています。このモリコロパークはお客さんが楽しめるエキシビションエリアもございますし、さらに1周5キロのサイクリングロードもあります。こちらを利用してSS(スペシャルステージ)を行う予定です。1つの場所にサービスパーク、ヘッドクオーター(運営本部)、ラリーパーク、スペシャルステージすべてが整っている開催基地は世界でも例がなく、日本らしさを出していければと思っております」(高橋浩司氏)
ラリーはサーキットでなく、私たちが普段利用している公道を走行する競技。だからこそより身近、そしてスリリングで面白いのですが、日本ラウンド開催に向けて高橋氏から開催予定地の住民の方へメッセージが送られました。
「開催されるコースの沿道に住む住民の皆様方の承諾が取れればOKと愛知県警、岐阜県警と話しを進めております。県警の方と私共のスタッフで『こういう事を想定して、世界選手権開催を目指して動いています』とその地域に伺っておりますので、ぜひご協力をお願いします」
さらに2019年の開催実現に向けて、WRCをはじめとするモータースポーツの魅力を発信すべく「WRC招致応援団」が結成された事も発表され、メンバーの皆さんが報告会に駆けつけてくれました!
まずは今年の7月に行われたTOYOTA GAZOO Racing 86/BRZレースに初参戦した、フィギュアスケーターの小塚崇彦さん。フィギュアスケートとは別世界のモータースポーツについて、「勉強中」なのだそうです。
「去年の1月にモータースポーツ界に入ることを発表し、自分で実際に楽しむことでモータースポーツの楽しみ方を皆さんに伝えていく、という活動をしています。まだまだ僕自身、ラリーについて深くは知りません。なので皆さんと一緒に勉強していって、よりラリーを楽しんでいけるように、そしてモータースポーツを盛り上げられるように頑張りますので応援よろしくお願いします」
SKE48卒業生、CUSCOジュニアラリーチームのコドライバーとしてTGRラリーチャレンジに参戦している梅本まどかさんは、とびきりの笑顔で意気込みを語りました。
「WRC招致応援団に選んで頂いて、とっても嬉しいです! 私は元々サーキットのレースが好きだったのですが、今季からトヨタのラリーチャレンジにコドライバーとして参戦させて頂きドライバーでなくコドライバーとしての楽しさを味わっているのですが、その世界バージョンが私の地元愛知で開催されるかもしれないという事でワクワクしております。ラリーの魅力をもっともっとたくさんの方に知ってもらえるよう、頑張ります」
WRCといえばこの方! WRCコメンテーターでJ SPORTS のWRC中継ではメインキャスターを務め、WRC報道の顔として活躍中の栗田佳織さんは、誰よりも熱くその想いを熱弁しました。
「私は2011年からJ SPORTSのWRCの番組を担当して、今8年目になっています。初めてWRCを見た時、『これは世界一のモータースポーツだ!』と感じました。目の前で見るのと、テレビで見るのとでは全然違います。それが日本にやってくるかもしれない、という事で本当に嬉しいです。今トヨタがWRCに参戦していますが、Rally Japanを通じて他の自動車メーカーもWRCに興味を持ってくれたら良いなと思っています。93年から日本の自動車メーカーがマニュファクチャラーズタイトルを7連覇しました。そういう黄金時代をまた見たいので、ぜひRally Japanをきっかけにファンの方や自動車メーカーの方がWRCに興味を持ってくれれば良いなと願っております!」
そして報告会の司会を務めた、フリーアナウンサーの安東弘樹さん。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員や自動車ジャーナリストなど、自動車やモータースポーツ界でも活躍中です。
「昔からクルマは好きでしたが、モータースポーツを好きになったのは2003年にペター・ソルベルグがスバルインプレッサでチャンピオンになった時のDVDを見たことがきっかけです。それからすっかりはまってしまい、給料と相談しながらDVDを毎戦買っていました。F1、WECが日本で開催される中、『WRCもまた日本で開催してくれないかな』と思っていたらこの招致団にお声かけいただいて・・・。改めてフリーになって良かったと思った瞬間でした(笑)。現在モータースポーツは、びっくりするほどマイナースポーツです。そんな状況を改善すべくWRC、そしてモーターポーツを広めていきたいと思っております」
報告会で感じたのは、招致準備委員会、応援団の「Rally Japanを復活させたい」という熱い想い。もちろん、ラリーファンの皆さんも同じ気持ちだと思います。
これから様々な審査を経て12月に最終的な決定が下されるとのことですが、Rally Japan復活に向けて大きな一歩を踏み出したと言えるのではないでしょうか。日本のモータースポーツをもっと盛り上げるためにも、WRC日本ラウンドが開催されますように!
(yuri)
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Source: clicccar.comクリッカー