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【日下部保雄の悠悠閑閑】星空列車の夜

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 まだ駆け出しの時代のこと。練習と称して天城山に通ったときがある。もちろん夜中で、コーナリングラインやブレーキ踏力などいろいろためになった。無謀にも1人で行くことが多く、できたばかりの黒い舗装とガードレールの反射鏡が夢のようなコースを作っていた光景が今でも忘れられない。そしてヘッドライトを消して新月の夜空を見上げると満天の星が広がっていた。少しは星の名前を知っているつもりだったが、2等星、3等星も強い光を放って1等星と区別がつかず、ただただ見とれるばかりだった。冬に比べて夏の星空は薄いと思っていたのは思い込みだった。
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