エッH2が小さく見える……目の錯覚? No! コイツは排気量が1/8のZ125をベースにした超絶カスタム、その名も「エイチ・ニ」だ。執念&驚異の造り込みをとくとご覧アレ! ※ヤングマシン2018年3月号(1月24日発売)より
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遊び心と職人技が炸裂! 構想から1年半で市販へ
自分の目を疑い、マジマジと見て思わず驚きと笑いがこみ上げてくる。もしアナタが「h2」を見て、こんな反応をしたなら、まさに製作者の狙い通りである。――Z125プロをベースとする、ニンジャH2風のコンプリート車が「h2」(エイチ・ニと読む)。呆れるほどのクオリティに、何ともシャレの利いた車名がイカしている。
製作したのは、愛知県日進市に店を構えるバイクショップ「プレジャー」。過去にKR1000風のKSR110などを手がけており、「普通のバイク屋にできないことをやりたい」とZ125のサイドカーを設計し始めた。そんな折、H2のオーナーから「H2の方が面白い」と言われたのが製作のキッカケ。以後は苦労の連続で、スケッチを描いては試作し、車体に装着。写真を撮影してバランスを確認して、スケッチという作業を1年半も繰り返した。
気の遠くなる作業だが、こだわったのは冒頭の通り「何となくH2っぽい、ではなく、見間違えるほどの完成度」。H2のデザインを崩さないのはもちろん、縮小のサジ加減に最も時間を費やした。H2の外装を単純に縮めても違和感が出るため、幾度となくリテイク。結果、ご覧のド級カスタムが完成した。ホンダのデザイナーが技術習得のために製作した「模刻」を本誌で紹介したが、出来映えは同等。しかも一品モノの模刻に対し、h2は購入まで可能だ! 販売は東京都練馬区のMSLでも受け付けており、ペイントのオーダーも可能だ。
SDカスタムの新たな金字塔
憧れのマシンをミニバイクにデフォルメした「SD(スーパーデフォルメ)カスタム」は、’70年代から続く伝統芸だ。’80年代にはモンキー系をベースに、ホンダのワークスマシン=NS500Rを再現したスーパーモンキー製「NMR」、モリワキレーサーZEROのアルミ製Zフレームを与えたモリワキ「ZERO Z50M」などの伝説カスタムが続出。スズキ・ギャグ、ヤマハ・YSRなどメーカー自らが純正SDを販売したケースもあった。近年はハーレーのウルトラをモンキーに落とし込んだ「モンダビ」をキジマが復刻したことも。この歴史にエイチ・ニが新たな1ページを刻んだ!
【インプレッション】外観も走りも刺激的! 完成度は想像以上だ
Z125プロをセパハン化したプレジャーのh2。ライポジが極端に変わると、特に軽量な小排気量車ではその影響が大きいが、走り出してすぐに
そんな懸念は霧散した。もともとZ125のハンドリングはトリッキーで、かつてのNSR50を彷彿させるほど軽快で旋回力が高い。それがセパハン化によってフロント荷重が高まり、むしろミニバイクレーサー的でこの方がマッチングがいいとすら感じるほどだ。
エンジンはSTDのままだが、もともと吹け上がりのい特性なので、その点では元ネタのニンジャH2を彷彿させるものがある。外装パーツが追加されたことで少なからず車重は増えているはずなのだが、パワー的に不足を感じることはなく、特に不満はない。外観だけでなく走りも刺激的なプレジャー・h2。単なる企画商品以上の魅力を秘めている稀有な限定車だ。(大屋雄一)
取材協力:プレジャー/MSL
撮影:長谷川徹/飛澤慎
文:沼尾宏明/大屋雄一
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Source: WEBヤングマシン