SUVのラインアップ拡充を中期経営計画「STEP」に盛り込んだSUBARU。ここでは、日本向けのSUVラインナップを象徴する新型フォレスターの乗り味についてご報告したいと思います。
フォレスターの旧型と新型をクローズコースで乗り比べると比べると、ボディ剛性の高さやステアリングフィール、足まわりの良さ、静粛性や乗り心地などのあらゆる面で、「2世代分」は大げさかもしれませんが、想像以上の大幅な進化なのが確認できました。
予約段階(発表時点)で2.0L水平対向4気筒+モーターという組み合わせのマイルドハイブリッドの「e-BOXER」が約4割というシェアを占めているそう。モーターアシストをターボ的に加速に使うセッティングは、「Sモード」に入れることで街中や郊外路など比較的速度が低い領域で恩恵が得られます。
具体的には、中・低速域(40〜50km/h)からアクセルを半分くらい踏み込んだ時に、その効果を実感できるという試乗前のレクチャーがありました。確かに、パーシャルから普通に踏み込んだ時にモーターのアシストが加わり、「力強く」というよりも「よりスムーズに」背中をスッと押してくれるような加速感が得られます。
試乗コースには、かなり減速してから左に大きく曲がる直角コーナーのような状況がありましたが、こうしたコーナーでの低速からの立ち上がりもスムーズに感じられました。
「e-BOXER」は、309万9600円の「Advance」という1グレード。アイサイトはもちろん、居眠り検知やシートメモリー機能などを含む「ドライバーモニタリングシステム」、「車両接近通報装置」、先代XVにも搭載されていた燃費重視モードのエコクルーズコントロール、17インチ2ポットのフロントベンチレーテッドディスクなどを搭載。
モーター自体は、先代XVと型式もスペック(10kW/65Nm)も同じ。しかし、数値は変わらないものの、モーターの実力を先代XVよりも引き出せるようになったそうで、先代XVのニッケル水素から、三菱電機製のリチウムイオンバッテリーに進化するなど、ハイブリッドとしての実力は着実に高まっています。
強制的にモーター走行に切り替えるEVモードは用意されませんし、2.5Lエンジンほどの力強さまでには至っていませんが、街中や郊外路、もちろん高速道路までスムーズに走ってくれる「e-BOXER」。309万9600円という新型フォレスターで最も高い価格を付けていますが、装備も走りも考えると、かなり買い得感があり、4割というシェアは十分に頷けるものがあります。
(文/塚田勝弘 写真/塚田勝弘、SUBARU)
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Source: clicccar.comクリッカー