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OPT・MR2最終仕様で谷田部最高速に再びトライ! そのとき何が?・その1【OPTION 1985年1月号より】

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4A-G搭載の初代MR2(AW11)にて最高速に挑戦した、我がOPTスーパーMR2。シグマオートモーティブの作るエンジンと、奇才マッド杉山のボディ(エアロ)により252.19km/hを記録し、更なる記録更新を!というところ(2018.5.1公開)で小休止していましたが、ラストへ向かって再開しましょう! 最終仕様にて再び谷田部の高速試験路へ姿を現したOPT・MR2。準備は万端!と思われたのですが…(驚)

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目次

<OPTスーパーMR2への挑戦>押し寄せてきたトラブルの波

ドラマチック谷田部5:00~7:00
5000rpmから7000rpmまでが勝負だ!

まったくゼロスタートで開発された大容量K27タービン付きのエンジンは、時実担当の寝食を忘れた突貫作業で進められながら短時間で細部まで煮詰められ、テストベンチで300psをマークするに至った。マフラーも特注でGCレースと同構造の高効率、低排気音の高性能タイプだ。

「ウン、これならどう控えめにみても280km/hはカタイ!」。ボクと時実さんはテスト前日、MR2をトランスポーターに積み込みながら、お互いに目を見合わせてうなづき合ったのだが…。

マフラー無しのオープンエキゾーストではないけれど、さすがに排気音は小さくはない。ボディ軽量化の影響で室内音はレーシングカー的であり、谷田部の騒音規制に気を使いながらラッピングを開始した。

1周めでブースト圧を1.2kg/cm2にセット。さらに補助インジェクターの1本を5000rpm、2本めを7000rpmに設定しながら4速5000rpmで周回を重ねる。水温は70度、油温80度、油圧5.0kg/cm2とすべて正常値だが、排気温度計作動不良で0から1000度までを目まぐるしく動いている。

この件を無線でピットの時実さんに連絡してピットイン。排気温度計はリークしていたらしく、すぐに正常に戻る。ガソリンを10L入れて再度スタート。時間も6時を過ぎたので1速から3速までは7000rpmまで回してみる。5000rpmまではガスが濃いので死んだような加速しかしないエンジンも、5000rpmを超えた瞬間にフルブーストがかかり、一気に設定回転の7000rpmまで回ってしまう。タービンを大型化していることがはっきりとアクセルレスポンスに伝わってくるのだ。

直進性は問題ないが、裏のストレートは横風が強く多少、左に流れるようだが、走行に支障はなさそうだ。60度で安定していた水温が80度近くに上昇しているので、ピットインしてフロントのラジエター1/3に貼ったガムテープを剥がして、さらに3周ほどタイヤ温度を上げるために走り、メインドライバーのDaiとバトンタッチ。

インタークーラーの氷タンクに氷を入れ、プラグを新品に交換、さらに、マッドハウス製のアクリル製ファーストバックを装着して本番トライにスタート。

室内で聞くよりもはるかに気持ちのいいエキゾーストノートを残して、マシンは第1バンクに消える。裏のストレート音を聞いていると5000~5500rpmで流しているようだ。

第2バンクから安定した姿勢で計測ストレートに向かうMR2のフロントエアダムが異常に路面に近づいている。ダウンフォースが強烈なためだろうが、外から見ていると気になる。

1周めは239km/hで計測ストレートを通過。音からしてまだまだ余裕がある走りだ。2周目の裏ストレートの音が明らかに変わった。「回しているゾ!」第2バンクの音も気持ち良く吹け上がっている。が、その瞬間にバン!という音が響き、エンジン音が消えた。

クラッシュではないことは音から分かる。エンジンがバラバラにでもなってしまったのだろうか…と考えていると、ヒタヒタヒタというひ弱な音をたてながら惰性でピットに戻ってきた。まず異常を探してて大声を出したのは、マッドハウスの杉山さんだ。「左ドアの外板が無いゾ!」

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はぁ~? ドアの外板が無いってどーいうこと~?? というところで、次回その2へ続く! しかし、トラブルはこれだけでは終わらなかったようです…よ!

[OPTION 1985年1月号より]

(Play Back The OPTION by 永光やすの)

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Source: clicccar.comクリッカー

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