「警察」という仕事は本来なら国民にとって大いに有り難く、心強い存在だと思う。興味深いことに子供の頃は誰だってパトカーや白バイ、そして「おまわりさん」が大好きだ。警察に対しあまり快く思っていない親も、子供の警察好きを「ダメだ」と言わないばかりか、イベントなどでパトカーと記念撮影などあれば、楽しそうな顔をして列に並ぶ。
何度となく批判記事を書いている私も、子供の頃は「おまわりさん」好きだった。なぜ嫌いになった? 紹介してみたい。
中学生まで警察を嫌うこともなく過ごした。けれどある日のこと。自転車に乗っていたら突如停止を命じられる。すると「この自転車はキミのか?」。自転車泥棒の嫌疑だ。猛烈に腹が立ち、ここから警察不信が始まった。
多くの皆さんと同じく、私も免許を取ってから坂道を転がる様に警察嫌いになっていく。何が腹が立つかと言えば、ダブルスタンダードを平気な顔して行うこと。古屋圭司衆院議員が警察のTOPである国家公安委員長時代に「取り締まりのための取り締まりはやめろ」とコメントしたけれど、ここに警察嫌いになる全てが凝縮されていると思う。
■空港から警察署まで、ずっと速度違反!?
そもそも警察官だって制限速度を厳守しているかとなれば、明らかに「No!」だろう。私は違反を目撃している。数年前、車上荒らしで盗難被害に遭った際、犯人捕まったという連絡を受け大阪に出向いた。その際、刑事さんが捜査車両で空港まで迎えにきてくれたのだけれど、空港の駐車場を出て警察署まで、ずっと速度違反である。
冗談で「警察の人も速度違反しますね~」と言って刑事さんと大笑いになったほど。前出の古屋議員も「歩行者が出てくる危険性がない場所で制限速度の20km/h超過を取り締まるのは疑問」。なのに交通取り締まりの警官は、高速道路のような60km/h区間での20km/h違反を真面目な顔をして「悪」だと言い切る。
自分自身は当たり前のようにスピード違反をしておきながら、捕まえる側になったら容赦なく切符を切る。自分にウソついてよく平気ですね、と思う。そんなことをやっている人を敬愛出来るワケがない。最近では自転車の無謀運転の取り締まりを全く行わないことも、警察嫌い育成の大きなエネルギーになっているようだ。
繰り返すが警察の仕事は本来素晴らしい。世の中になくてはならない存在である。警察側も、信頼されるようになるため努力して欲しいと思う。方法は簡単だ。多くの人が「危険なのでなんとかして欲しい」と感じている順番に取り締まって行けばよい。古屋議員の言う通り安全な道路での20km/h違反の優先順位は極めて低い。
(文:国沢光宏)
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Source: clicccar.comクリッカー