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2018H2 SXを最高速テストした結果は?!

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2018年モデルで新たに登場したスーパーチャージャーマシンのH2 SXを日本自動車研究所の高速周回路で最高速テストした。比較対象は前作H2とZX-14R。果たして何キロ出たのか?!

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目次

最高速マシンとは異なるキャラクターが明白に!

ツーリングテストから日を改めて、H2 SXのSTDを持ち出し、高速周回路で0→1000m加速と最高速アタックを敢行した。試乗車を変更したのは、低いスクリーンを持つSTDの方がトップスピードが伸びるのでは? との判断からだ。
結果、サーキットではわからなかった性能が丸裸に。加速性能は14Rが最速で、H2、SXが続く。0→1000mではH2が14Rを逆転。SXは終始3番手だった。最高速は、H2と14Rが早々に300㎞/hリミッターに当たり、ほぼ互角。わずかにH2が上回るが、リミッターの誤差の範囲と言える。SXは、270㎞/h程度からヨーイングが発生。さらに回転が吹け切ったにもかかわらず、リミッターには届かなかった。他車より上体が起き、カウルも大型のため、空気抵抗が大きいのも要因だろう。とはいえ、これも快適性を追求した結果。H2や14Rのような最高速狙いではなく、公道で楽しいSCツアラーなのだと改めてわかった。それでも十分速いが……。※ヤングマシン5月号(3月24日発売)より

【Ninja H2 SX】実測294.24㎞/h 0→1000m加速 19秒478

最高速時はレッドゾーンを超え13000rpmに達した。メータ読みは299㎞/hでGPSデータロガーで計測した実速度が294.24㎞/hとなる。リミッターが発動する以前にエンジンが吹け切る設定だった。

【Ninja H2】実測298.97㎞/h 0→1000m加速 18秒575

元祖スーパーチャージャーマシンのNinjaH2。2018年モデルはIMUを搭載さいた2017年モデルからの継続。メーター読みは299㎞/hで実速度はリミッターに当たっての298.97㎞/hだった。

【Ninja ZX-14R】実測298.73㎞/h 0→1000m加速 18秒795

ZX-12Rからの血統を引き継ぐ大艦巨砲最高速ツアラー。こちらもアナログメーターは振り切り、実速度はリミッターに当たっての298.73㎞/hだった。

300超性能のH2&14Rか、300上限のSXか

0-1000mを終えた直後、H2は加速が衰えず、そのまま300km/hリミッターに唯一当たった。その後、裏ストレートを流して走り、バンク→2回目の直線へ。SXは280㎞/h手前で加速が鈍り、回転が吹け切ってリミッターには届かなかった。H2は早々に300km/hリミッター発動。その後14Rがリミッターに当たった。安定感と静けさは14Rが随一だ。SXは300km/hを上限にどこまで快適にできるかを突きつめたのだろう。

コースは、本誌テストでおなじみのJARI。高速周回路は、コーナーにバンク=勾配のある周長5500mのオーバルコースで、直線は1112m×2。この直線で0→1000mを計測し、そのまま最高速アタックに突入。計測はデジスパイスで行った。

【0→1000m】抑えめのブーストながらSXも善戦

前半は14Rが無双、後半からH2が伸びを示した。SXは、SCのブーストを抑え気味にし、圧縮比を上げてパワーを出しているためか、H2より14Rに近い加速感だった。14Rは、SXから+440㏄の底力を見せつけた格好だ。

カワサキが提唱する、新たな「ツアラー」のカタチがここに

SXは、スーチャーという実に面白いエンジンをより多くの人に味わってもらうために開発された印象だ。SC第1弾のH2はあまりにスペシャルでストイックなスーパーカー的存在。一方のSXは出力特性をはじめ、安楽なライポジや最新装備などの快適性をプラスし、普段乗りまで可能にしてしまった。SCのブーストが抑え気味とはいえ、その気になれば、鬼のような加速や「ヒュイーン」「プシャー」という独特なサウンドもしっかり楽しめる。しかもプライスは、H2に手が届かなかった人でも手に入りそうなほど現実的になった。
さらにSCによって、ツアラーであるZX-14Rのダウンサイジングにも成功している。14Rは気軽に街乗りできるバイクではないが、SXなら全く問題なし。しかも、14Rの持つ快適志向を一段と進化させ、装備の充実度も遙かに上回る。
守備範囲も手頃でスポーティなニンジャ1000から、H2に近い領域までカバーするほど広い。かつて300㎞/h超の世界最速を狙った14Rの代わりではなく、カワサキが新たに提案するツアラーの形がここに結実しているように思う。
例えるなら14R は「紳士」、H2はお祭り好きの「パーリィピーポー」。SXはその中間の「チョイ悪オヤジ」といったところか。カワサキファンの憧れの存在として足るに十分。ターゲットしてはいい線を突いていると思う。ちょうど僕も遊びゴコロのあるツアラーが欲しいなと思っていた矢先。そこに登場してきたSXは、もちろん購入対象の1台に入る!

ニュース提供:ヤングマシン2018年5月号(3月24日発売)
テスター:丸山浩
まとめ:沼尾宏明
撮影:山内潤也

Source: WEBヤングマシン

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