従来のV型2気筒からV型4気筒にエンジンを変更し、生まれ変わったドゥカティの新型パニガーレV4Sが編集部にやってきた。大型のスーパースポーツモデルのインプレは手に余ることから基本やらないことにしているが、初物なので街中だけ乗ってみることにした。当WEB執筆メンバーの「いち」がレポートする。
L2モデルより街乗りがキツくない
ドゥカティのスーパーバイクについては、試乗車のちょっとした移動で996、999、1098、1199パニガーレシリーズに乗ってきた経験があるが、これらL2モデルよりもパニガーレV4Sは街乗りしやすいレベルになった。それはどのくらいのレベルかというと、国産のリッタースーパースポーツと同等に近づいた感じだ。まず足着きは身長172cm、体重65㎏で両つま先が普通に接地し、タンク部分にボリュームが出たのでニーグリップでの安心感も得られる。また、エンジンの幅が拡大したことからバイクの安定感も増して操作しやすくなっている。従来のL2は全体的な印象で言うとスリムだが腰高でタンク部分も細く、ツインエンジンならではのヒラヒラ感から倒し込みにもシビアさがあったのだ。
やはりRC213V-Sと比べてしまう
モトGP譲りの同じV4マシンとしては、以前乗る機会に恵まれたRC213V-Sが筆者としては比較対象になる存在だ。ライディングポジション的にはどちらもかなり前傾で似ていたという印象。V4の音質も似てはいるが、音量は段違いでパニガーレV4Sが大きい。またアイドリングでの振動や1発1発のパンチも強い。このあたりはいかにもドゥカティという感じで、従来のL2の延長線上にある。一方、RC213V-Sは159psの欧州仕様に乗った時には音量に迫力を感じたものの威圧感はなく、振動は皆無で爆発1発1発のパンチも滑らかな粒となっていた感じだ。1万rpmまで回しても全く平穏そのもので、冷静に操ることに集中できたことに驚いた。だが、214psのパニガーレV4Sで筆者が1万rpmまで回すことは丸1日中乗ったとしても一度もないと思われる。だが、例えエンジンを回し切れなくてもスーパーカー的な特別な乗り物に乗っているという気分は、両車共通と言えるだろう。参考までに下の動画はシリアルナンバー213番のRC213V-Sを街乗りした時のもので、V4のクランクマスが軽いためか途中エンストしたりと緊張が伝わってくる。パニガーレV4Sも発進に気を遣うところが同じで、さらにこの時感じた特別なバイクのオーラも同じように漂わせていたのだ。
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Source: WEBヤングマシン