ボルボのミドルクラスであるXC60に、ディーゼルエンジンを搭載し4WDの駆動方式を採用した新グレード・D4 AWDが追加されました。意外なことにディーゼルエンジンと4WDの組み合わせはボルボ車としてははじめてとなります。
搭載されたエンジンは2リットルのディーゼルターボで、最高出力は190馬力、最大トルクは400Nmのスペックです。XC60のガソリンエンジンモデルは比較的シャープな走りが魅力ですが、このディーゼルエンジン搭載モデルはそうしたシャープな動きとは違って、ゆったりとした動きを持つモデルに仕上げられていました。
低回転からしっかりとトルクを引き出すエンジン特性はディーゼルらしさにあふれています。最近のガソリンエンジンはディーゼルに負けないくらい低速トルクがありますが、アイドリング状態からブレーキをゆるめてずるずるとクリープした状態から、アクセルペダルをゆっくり踏んでいったときに盛り上がるトルク感はやはりディーゼルエンジンのほうが優れています。
駆動方式はほかのXC60同様にフルタイム4WDです。もともと4WDのマイナス部分を感じさせないものでしたが、今回のディーゼルエンジンとの組み合わせはそれがさらによくなった印象です。トルク変動が少ないディーゼルエンジンは4WDとの相性がよく、走りの安定感がアップしています。
面白いことにクルマ全体としてのまとまり感が向上し、完成度が上がっている印象も受けました。
現行のXC60は新しく開発されたSPAと呼ばれるプラットフォームを採用し、2017年3月のジュネーブモーターショーでデビューしているので、まだ1年少ししか経っていないが、その間に工場側が製造になれてきたというか、いろいろな部分でのすりあわせがよくなってきたとか……そうした感じなのでしょう。じつにまとまり感があり、最初に乗ったときの印象よりもかなりいい印象がありました。
D4 AWDはXC60シリーズのなかでエンジンと車格のバランスがよく、高いレベルに仕上げられているモデルと言えます。254馬力のガソリンエンジンを積むT5と価格は同じで、モーメンタムが599万円、インスペクションが679万円となります。エンジン出力的はT5のほうが上ですが、ドライブフィール的にはディーゼルのD4がおすすめです。さらに燃料代はD4がリーズナブルになります。
(文・写真:諸星陽一)
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Source: clicccar.comクリッカー